神道の逆襲

最近、神道の逆襲と言う本を読んだ。「逆襲」というのは、「日本には哲学はない」という抗議に対しての逆襲を指している。要するに、この本は、神道の知的歴史を語る本だ。私哲学者にとって、興味深いが、神道入門ではない。神道の概要が分からない人はこの本も分からないと思う。が、概要が分かったら、もう少し深く勉強するためにはいいといえよう。

大雑把に言ったら、伊勢神道、吉田神道、垂加神道、復古神道の順で説明する本だ。伊勢神道の前の概念についての章もあるのだが、あれは作者の推測だけだと言えるだろう。残っている資料は、古事記などぐらいだから、作者の解釈がここで紹介されるとしてもいいと思う。そして、後の章で歴史上の古事記などの解釈がある。やはり、作者は、垂加神道に対してのすごい違和感を持っているようだし、日本が、神国として、他の国を優れるという意見にも反対するようだ。一方、本居宣長の解釈に対して共感を感じるようだ。

そう言っても、解釈はよくできたと思う。一つずつ神道の種類の歴史的な背景を描写して、背景の影響を指摘して、解釈の経緯をちゃんと説明する本だ。

管野氏という作者によると、神道の基礎は、神という非常な存在との遭遇だそうだ。来客のように、日常の生活を破って、緊張感も喜びももたらす存在と述べているが、神というのは、キリスト教のゴッドとは全く別なものだと主張している。来客だから、絶対神ではなくて、非日常な存在だけだ。勿論、刺激的な存在だけれども、どのぐらい有力、どのぐらい善、どのぐらい人間に対しての関心をもっているという点は、神によって違うとの解釈だ。

この本を読んで、私は神道の異なる概念が分かるようになった。だから、神道の水面しか分からない人にのお奨めだ。ちょっとだけ奥行きに入って、祭の後ろにある考え方を知っているようになると思う。


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