高齢化と年金

今週のNatureには高齢化についての記事が載っている。(The coming acceleration of global population ageing, Nature 451, 716-719 (7 February 2008) | doi:10.1038/nature06516: リンクは有料)研究者によると、高齢化がより速くなるそうだ。そして、2050年頃にまた静まるそうだ。データは、地球の地方によって分けられているので、日本を含める地域は、オーストラリアなども包含するが、目安として日本に該当できると思う。データによって、今日六十歳以上の割合は2割だが、2100年までに5割になるそうだ。だが、平均寿命もあがる予測だから、2100年の六十歳は現代の六十歳と同じ意味になるわけはない。一方、15年以下の寿命が残る人口の割合を計算したら、現在は一割で、2100年までに2割になるそうだ。

2100年の人口の半分が六十歳以上の状況は、年金の立場から見たら出産促進で克服できないはずだ。確かに出産率が上がったら、その割合がちょっと低くなるが、出産率が高い南アジア地方でも35%になる見通しだそうだ。その上、日本の食糧の自給率はもう4割程度だから、日本の人口を倍にするわけにはいかない。というより、できないといえる。仮りにそうしたとしても、六十歳以上の人は三割を突破したら、現在の年金制度は破壊になる。要するに今の制度を保つわけにはいかないではなく、タモテナイ現実だと言える。

だとしたら、どういう風に改善したらいいだろう。15年間以下の寿命が残る人口の割合には示唆があると思う。定年を15年間の寿命が残る年齢に上げたら、問題解決になりそうだ。2割の年金は保てるようだからだ。現在日本の平均寿命は、CIA World Fact Bookによると、82年間だそうだから、定年を67際にしたら一応応じるだろう。実は、82年間は生まれたときの予測だから、67際まで生きたら、15年間以上が残る意味だ。67際までに死ぬ人が平均を下げるからだ。そして、男性は79年間、女性は86年間だから、平等にするために男性に64際に引退させて、女性に71際にしたらいい。だが、詳しい方針を決めるための統計が私には足りないので、目安しか描かない。

何かするのは必要だが、こういう政策が人気になるはずはない。だから、選挙の直後に導入したほうがいいだろう。四年後、国民が慣れてくる可能性があるからだ。なんといっても、問題を解決するのには、勇気も知恵もある政権が必要だといえる。祈る。


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