所有権と課税

自由主義の立場から考えたら、課税が難しく見える場合は多いだろう。課税は、強制的に人からお金を取ることだから、自由を犯すのではないかと思われるだろう。だが、この意見の背景には所有権がある。所有権が問われたら、どういうふうに擁立できるだろう。

所有権が守れたら、利益があるのは明らかだ。長期的に計画が立てられるようになるし、人と人の間の組み合わせもスムーズにできるようになる。さらに価値があるものを作る動機を与える。最近共産党が政権を握る国で所有権なしの社会が試されたが、失敗だった。一方、所有権を大事にする国が成長した。確かに所有権は唯一の異なる点ではないので、因果関係は確定されていない。しかし説得力がある議論だし、実験の結果を無視することは愚かなことだからとりあえず所有権を保ったほうがいいといえよう。

だが、絶対的に守ったら、所有権は生命権より重大だというようになってしまう。なぜなら貧乏な人が飢え死にしたら、犯罪としないが、生きる為に米を盗んだら犯罪とするからである。二つの権利を並べて見たら、生命権のほうが重要なのは明らかだろう。だから所有権をより重んじるのは避けるべきだ。

「仕事しないと死んでもいい」という人がいるだろう。それは、私の考え方によると残酷な意見だが、ただの意見違いではない。先ず働きたいが仕事はない場合も少なくない。特に日本で中年でリストラされた人が再就職できない場合は多いようだ。そして、選択の自由を守る為に働かない選択も可能にする義務がある。この義務を果たすには、大別すると二つの方法があると思う。

一つは盗みを許すことだ。人が死にそうになったら、必要なものを盗んでも犯罪にならない状況だ。この方法は良くないと思う。理由は二つある。一つは、盗むことは本当に必要だったかどうかを判断するのは難しいから、どの盗みでも有罪にするのが難しくなるからだ。もう一つは、必要な場合に限られても所有権の利点を大きく損なうからである。所有権の利点は、安心して安定された所有物が使えることから流れる。だから、飢え死に防止のために盗みを許したら安定さが失われるので利点も失われる。

もう一つの方法は、課税して、税金から人を養う方法だ。課税が必要になるが、課税は安定した制度だから、所有権の利点を滅ばない。所有権がある国を見たら、この点は明らかだろう。アメリカにも日本にも税制があるが、所有権の利益も見える。だから、税制と社会保険はないなら、所有権を保つのは悪徳だ。制度の詳細には問題が残るが、税制そのものは、自由違反や人権違反ではないと強く述べたいのである。


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コメント

“所有権と課税” への2件のフィードバック

  1. ジュリアのアバター

    デイビッドさん、
    課税に反対する意見もありますね。アメリカにもそういう意見の人が多いと思います。税制が自由違反とか人権違反とか、もあるでしょうが、よく「課税の方法を利用すればするほど国が弱くなる」という意見も聞きます。どんなように弱くなるか、私には分かりませんが、とりあえずアメリカが強い国なら、自分の世話が出来ない人はアメリカに相応しくないって事ですね。

    楽な立場だと簡単に厳しい事が言えますけど、状態が変われば話も変わってしまうでしょうね。

  2. チャート・デイビッドのアバター
    チャート・デイビッド

    ジュリアさん、
    コメントをありがとうございます。確かに税金に反対する人のなかにそういう自己主義なたちばから論じる人もいますね。ああいう人について、私もジュリアさんと同じ意見です。