戦後日本論

いよいよ日本史講座というシリーズを読み終わった。昨日読んだ第十巻は最後で、90年代に及ぶ章もある。

やはり戦後の歴史は、現状の基盤だから、本当に興味深い。イギリス人で1960年の学生運動などは知らなかったので、大変勉強になった。特に興味深かったのは、日本の家族構成についての章だった。人口転換は二つあるそうだが、日本はもう両方を通過したという。一回目は、多産多死から少産少死に変わることで、二回目は出生率が2を割り込むことだという。二つの変化の間に子供と老人の養われる世代と比べたら、労働者は多いので、経済成長には大変いい状況を作り出すそうだ。日本の場合、この時期は高度成長期に当たるのは言うまでもないだろう。

だが、二回目の変化が通過したら、労働者の割合が減る一方で福祉が難しくなる。特に両親の世代が子供の世代と比べたら多くなるので、家族ベースで老人福祉を行うのが厳しくなるようだ。だから、家族に委ねることはできなくなるそうだ。やはり、将来にとっては深刻な問題だから、解決方法を考えるべきだろう。

この章で驚いたのは、明治以前日本人の男性がよく子育てと関わったことだった。子育ては女性の役割だと言う考え方は、明治時代の輸入品なのようだ。一変変わって来たね。やはり伝統は「私の子供の頃のように」という意味を強く持つことをもう一度痛感した。

この本で現在の日本の問題と機会の原因が或る程度分かって来たような気がするが、解決方法を発想するのはまだ難しい。少なくとも歴史を読んだら、取り組めるようになる。(ただ、日本国籍さえ持っていないので、取り組めないだろう。)だから、これからまた日本の歴史のシリーズを読むつもりだ。


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