神道を知る講座V〜第9回

國學院大學のオープンカレッジの神道講座がもうすぐ終わるが、今日は第9回があった。今週、岡田先生が伊勢神道を紹介してくれた。

伊勢神道というのは、鎌倉時代に伊勢の神宮の外宮で成立された神道の種類だ。特に、外宮の神官を勤めた度会氏の成果は多かったそうだ。伊勢神道の基本と言われる『神道の五部書』の四冊は度会氏に著されたのは確実だそうだし、残りの一冊も度会氏に作成された可能性もあるという。この五分書は、江戸時代初期には初めて纏められたそうだが、それ以前にも伊勢神道の重んじられた書物だったという。

奥書によれば、奈良時代や奈良時代以前に書かれた書物だが、それは偽証だ。作成年代は詳らかではないが、鎌倉時代前期から後期まで著されたと言う説は今の定説なのようだ。

五部書の中の一番古いと思われるのは、『宝基本記』という書物だ。それは、鎌倉前期の作品で、3分の2は神宮の式年遷宮の説明に占められたそうだ。これは、内宮の神官に著された可能性は高い。なぜなら、外宮を優先することはないからだ。一方、両部神道の影響を受けて、内宮と外宮を平等に扱うそうだ。ところで、神宮の一番申請な部分の心御柱(しんのみはしら)についての詳しい説明があるが、神宮に所蔵された本を見るのは許されていないという。勿論、どこの図書館でも見えるけれども。この心御柱は、世界の中心にあるとも書かれているそうだ。

鎌倉中期に著された『倭姫命世記』という書物は、外宮を優先しようとするそうだ。そして、所謂『神宮三部書』がある。この三冊は、鎌倉後期に度会行忠という事物に作成されたという。その一つは、最近名古屋の真福寺の所蔵された原本を調べて、度会行忠の自筆である可能性が高いそうだ。軸には「行忠」という字は書かれ、物の時代も妥当だそうだから、これは本当に原本であるのではないかと思われるそうだ。これは、この五年ぐらいで分かったことだそうだ。その本の伝来を調べたら、作成された時期を定められるそうだ。即ち弘安10年(1287)の4月から7月だったという。

さて、伊勢神道の内容はなんだろう。岡田先生によると、重要なポイントは二つある。

一つは、国家の永遠性を支えることだ。神道の国家との表面的な関係は新しかったそうだ。神国という表現もこの時期に初めて使われたそうだ。

もう一つは、正直と謹慎を強調することだ。この時代に神社での祈祷などより、正直に生きるのは重要だという意見が神道の主流になりつつあったそうだ。

この二つの点は、その後の神道に強い影響と与えたと言える。

そして、伊勢神道で仏教の影響を排除したほうがいいという意見も入っていた。両部神道の影響は見えるが、やはり仏教と一画を引くことにしたようだ。

中世だけではなく、近世の神道にも近代の神道にも伊勢神道が強い影響を与えたそうだから、神道の歴史を勉強したら見逃すわけにはいかない存在だ。