来月上旬にデンマークのコペンハーゲンで温暖化対策についての国際会議が開かれる。だから地球温暖化についての論争がより激しくなったように見える。
対策に反対する人が「対策したら、狩猟採集の社会に戻らざるを得ない」と警告するが、それは大げさだ。江戸時代の日本の温暖化効果ガス排出量は今の1割にも達さなかったはずだが、狩猟採集の社会でもなかったので、今日削減しても石器時代に戻らない。一方、対策に賛成する人が「燃費をよくするとか、断熱をよくするなどだから、問題はなくてもやるべきことだ」と言いがちだ。
今の研究の成果から判断したら、2050年までに排出量を半減する必要があるそうだ。それを世界中に平等に課すために、先進国の削減率は9割だそうだ。10年ずつに考えたら、10年に4割減を目標とする必要がある。要するに、2020年までに40%削減は必要だ。日本の世界中の国を抜け出す25%削減の目標も明らかに足りない。
これは、自動車の燃費をよくすることでできない目標だ。
実は、25%の削減は、そういう今の社会に利益をもたらす方針で実現できる可能性はあると思う。努力する必要があるが、家の断熱を一段落よくしたり、自動車の燃費もハイブリッドのレベルにしたり、冷房と暖房の設定を28度や18度にしたり、電灯をLEDにしたりすれば、できなくはないだろう。政府の促進は必要だが、経済に刺激になる可能性もある。運が良ければ、この方法が40%削減も実現できるだろう。これはやるべきだと思うし、地球温暖化を信じない人も否めないだろう。利益ばかりになるからだ。
だが、それは2020年までの目標だ。2021年から2030年までの間に同じような削減は必要とされている。現在の技術で、それは現在の社会構造のままでできない目標だろう。そして、2031年から2040年までの間にまた同じ目標がある。2041年から2050年までの間にも。
実現するために、新しい技術も社会の変更も必要だと思わざるを得ない。だから、狩猟採集の社会にならないが、大きく変わるはずだ。私有自動車がなくなるだろう。お肉は、週に一回以下しか食べられないだろう。(お肉には沢山のエネルギーが使われているからだ。)そのような変更は不要であれば、強いるべきではないのは明らかだ。だから、研究の成果を信じない人がそれに反対しても、批判するのはちょっと難しい。
そういっても、問題は本当な問題だと思うので、取り組むべきだと言いたいのだ。取り組むために、これからもうできる対策を全力で促進しながら、他の方法を見つけるための研究も促すべきだと思う。2020年までに、25〜40%削減を実現するだけではなく、2021年からの25〜40%の削減の方法も見つからないといけないからだ。同時に、気候の研究も進めるべきだ。より詳しく問題が分かったら、どうやって効率よく取り組めるか分かって行くからだ。
20年先のことをちゃんと考えてくれる政治家はいるのかな。