諸祭式要綱

この本も神社本庁の編纂した神職向けの本だ。地鎮祭などの建築関係の祭式と結婚式と葬式関係の祭式は基本だ。祭式の次第、祝詞の例文、必要な祭具の描写などもあるし、祭式の意義も説明される。

一般の人の視線で見る神道はこれだろう。祭りに参列しても、正式に「祭り」という祝詞奏上などの部分を無視するのは普通だ。白幡さんで、それが終わってから殆どの人が集まるが、例外ではないと思う。神社を観光地として訪れる人も少なくないが、名所を訪れることは神道との接点ではない場面もあるだろう。神道として神道と接する場合は、神前結婚式を執り行うことや地鎮祭を行ってもらうことにあると言えるかもしれない。だから、この本に載っている祭式は、神道のもう一つの顔だとも言いたいのだ。

それを考えたら、印象的な点は二つあった。

一つ目は、均一な傾向は強くないこと。この本は、神社本庁の定めだが、結婚式の場合、三つの方式もあるし、何の祭式でも選択しがある。簡略する方法やより伝統的な方式はメインだが、地方の慣習があったら、それに従っても良いとの注意は少なくない。

二つ目は、皇室が現れないことだ。祝詞には掲げられないようだ。やはり、戦後の神社神道の中の皇室や天皇の位置は、明らかではない。

ところで、これを読んだら、また私にはこういう次第のある祭式が好きだとのことを実感した。十代の頃、まだキリスト教徒であった間に、キリスト教の方式の本を読んだら憧れだった。私のキリスト教の種類には方式はあまりなかったので、当時にも残念に思った。やはり、私にとって神道の魅力の一つは、祭式があることだ。