永住者の素顔

前に述べた通り、フォーサイトという雑誌を継承する雑誌を探している。一人でなかなか見つけられなかったので、そういうことに詳しそうな生徒さんに訊いた。貴重なアドバイスをいただいたし、先日生徒さんから候補の雑誌のサンプルもいただいた。心より感謝を申し上げます。

候補の一つはWiLLだった。情報より評論は多いと生徒さんが言ってくれたが、ちょっと右翼に傾くので、刺激になるかもしれないと思って提供したそうだ。昨日のよる記事を一つ読んだ。やはり刺激になったので、今日ブログで感想が書きたいと思う。その記事は、『総力大特集 許すな! 外国人参政権』という特集に載ったので、私が同意しないことは驚くほどではない。タイトルは『偽装結婚、虚偽申請・・・ 知られざる「外国人永住者」の実態』だ。作家はジャーナリストの田中稔さん。

記事の日本語は、優しく読みやすかった。あいにく、これから批判的な立場から論じるようになる。

先ず、内容に重要な誤りがあることは大変な問題だ。84頁に「永住者の配偶者」の在留資格には永住権が審査なしに与えると書いてあるが、入国管理局のホームページを見たら、すぐに「永住者の配偶者」の資格の更新申請の手続きの案内が見つかる。そして、永住権の申請のガイドラインのページでは、永住者の配偶者の場合、日本人の配偶者と同じように婚姻生活を3年間以上続けたら得られるとも書いてある。要するに、在留資格として、日本人の配偶者の資格との異なる点は、配偶者の国籍のみだそうだ。私は弁護士であるわけはないが、法律を見たら、日本人の配偶者等も永住者の配偶者等という資格は、別表第二に載っているが、扱いは基本的に別表によって異なるので、大きな違いはないようだ。(尚、警察庁のリポートで(目次の前にある用語の説明のところ)永住者の配偶者などはいわゆる定着居住者に含まれているが、日本人の配偶者は含まれていない。やはり異質があるようだが、即座永住権になるはずはない。そうであれば、更新する必要はないので、更新する手続きもないからだ。)

そして、91頁からちょっと長引いて、取得や更新申請の場合、日本人の配偶者が源泉徴収票より課税証明書を依頼するべきだと強調する。入国管理局のホームページで提出する書類を調べたら、日本人の配偶者の場合でも、永住者の配偶者の場合でも、提出すべき資料は、納税証明書だ。確かに私が取得するために申請した時にゆり子の源泉徴収票は必要だったような気がするが、それはもう4年以上前の話だ。手続きはもう改善されただろう。

この誤りは、論議の流れに重要だし、ネット上で一時間以内確認できることだ。確かに入国管理局のホームページは別に使いやすくないし、ちょっと難しい漢字も使われているが、日本の大学を卒業した人が検討できないはずもない。だから、こんなに簡単に証明できることについて確認しんかった記者は、隠された事実を明かそうとしても、信憑性はあまりない。

そして、態度が悪い。83頁に、「日本人の配偶者等」のビザを「風俗ビザ」と呼ぶし、86頁に見出しでさえ永住権を「犯罪ビザ」と呼ぶ。それは大変失礼だ。少なくとも、私が風俗店で働かない。そして、まだ風俗の話だが、風俗店で警察に逮捕された日本人の配偶者はすぐに釈放されると批判的にいうが、犯罪は犯していないので、釈放するのは当たり前だ。あまり評価する職業ではないが、日本の法律上、風俗店での勤務は違法ではないのだ。合法な行為で退去強制になるわけはないだろう。

同じように、81頁に「「永住権は」一度不許可になった者の再申請は認められないなどと誤解されている方も少なくない」と書いてあるが、合理的ではない意見だ。永住権を取得する根拠は、日本にの根付きと日本への貢献だ。今薄すぎると判断しても、例えば三年後の根付きは自然に強くなるし、日本に貢献する機会も多くなる。一度失敗したらだめになると思うために、反外国人の気持ちは必要だ。退去強制できれば、したらいいという意見を表すようだ。

だから、作家が私に対するの偏見的な反感を持つと感じざるを得ない。

最後に、記事の論は無効だ。簡単に言えば、「永住者の間に犯罪者も風俗店に働く人もいる。だから、参政権を与えるべきではない」という内容だ。問題は明らかだろう。日本人の間にも、犯罪者も風俗店で働く人もいる。風俗店を経営して、偽装結婚で永住者を作る日本人も、この記事が認める。だからといって、日本人から参政権を剥奪すべきだと言えないだろう。風俗店で働くことは、違法ではないので、参政権を剥奪する根拠は全くない。好ましくない合法な行為のために参政権を剥奪できれば、民主主義ではない。犯罪のためにも剥奪することは民主主義と矛盾を抱えると強調する学者もいるし、ヨーロッパの最高裁判所も同意だ。刑務所に入っている人にも参政権を与えないといけない判決を下した。だが、犯罪者から参政権を剥奪してもいいと認めても、永住者の場合でも、犯罪者に限るべきだ。

確かに、永住者の間に犯罪者の割合は極めて高かったら、一般に剥奪してもいいだろう。しかし、割合についての証拠は記事の中に一切載っていない。それは、割合は低いからだと私が思う。84頁では、カルデロン一家が「犯罪を犯さず」生活したとさえ書いてある。不法入国したので、犯罪を犯したが、それは「本当の犯罪」ではないだろう。そう認めたら、不法滞在者の間にも犯罪を犯したことはない人は少なくないだろう。合法に滞在する人の間に益々多くなるとも言える。

最後の93頁で「外国人参政権ではなく、「中国人参政権」だと見る向きもある。」と書いてあるが、説得力のない本論とこのようなコメントを考えたら動機は人種差別だとの印象が強くなる。その印象を与えないように気をつけたほうがいいと思う。

この結果、やはりWiLLを読んだら刺激になることが明らかになったが、情報の質はちょっと悪く見えるので、別な雑誌にしたほうがいいかなと思っている。


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コメント

“永住者の素顔” への1件のコメント

  1. nipponinのアバター
    nipponin

    この記事ですね。。
    http://hanausagi.iza.ne.jp/blog/entry/1434388/

    残念ながら、あなたのように真面目で日本への貢献を考えている外国人ばかりではないのです。。
    現実に悪い奴もいるのです。

    永住中国人は14.5万人、永住韓国人は47万人もいます。
    特に、中国人は日本に帰化しても、ずっと「中国人」という意識のままで日本に忠誠心を持たないそうです。。
    http://www.youtube.com/watch?v=Zul0GRBvjKA
    http://seihanzai.artshost.com/tyoukeiko.htm
    http://www.youtube.com/watch?v=5IyEcEGftaY
    http://www.youtube.com/watch?v=IWlE83HTpD4

    怖いことじゃないですか。参政権を与えたら日本が乗っ取られてしまうかもしれません。
    日本の将来を左右する重要な問題ですから、みんな必死に議論しています。

    相撲の件もそうですが、自分の気に入らないことを
    なんでも人種差別にする癖はよくないですよ。