国際化に向き合う神社神道〜その三

2月のシンポジウムを、もう忘れた方は多いだろう。だが、三分の一しかアップしていないので、今日その話題に戻って、もう少し書きたいと思う。

三番目の発題者は、國學院大學のヘイヴンズ教授だった。ヘイヴンズ先生自身も白人だが、神道家より学者だから、神社神道の国際化の証拠ではない。だから、紹介したのは、自分の経験ではなく、アメリカに鎮座するアメリカ椿大神社のことだった。

この神社は、アメリカの西海岸のワシントン州にあるが、大自然の美しさの中に立つそうだ。神社の宮司は、アメリカ人で、合気道を通って神道の宮司になったバリッシュ宮司だ。神社の事実上の建立者は、三重県に鎮座する椿大神社の元宮司、故山本幸隆宮司だったそうだ。神社神道の世界的な普及に積極的で、87年にカリフォルニア州で仮の椿神社を設立したそうだが、色々な経緯のあとで2001年にワシントン州の現地に遷されたという。

ハワイの神社と違って、日系の崇敬者はあまりないそうだ。むしろ、神道に興味を持っているアメリカ人が神社を支える。バリッシュ宮司によると、神社はもう経済的に自立しているそうだから、アメリカにも神道に関心がある人はいるようだ。年間に神前結婚式を約20個を執り行うそうだし、ご祈祷などは600〜1000があるという。それは日系人によるハワイの神社を上回るが、簡単に参拝できる範囲の中に住んでいる人口は確かにワシントン州のほうが多いと思える。そして、日本の神社と同じような年中行事もあるそうだ。だから、神社神道の施設の資格は明らかだ。

一方、アメリカに存在する事実から生じる相違点もあるそうだ。先ずは、氏子は一人もいない。崇敬者のみに支えられる形だ。そして、神道について知識は殆どないアメリカ人に対して、教化活動は必要不可欠だそうだ。神社で神道ゼミやメーリング・リストがあすそうだ。(実は、ホームページを見たら、ゼミは今日行われているそうだ。)そして、アメリカ人の宗教観に合わせて、重要なキーワードは「スピリチュアクティ」だそうだ。ヘイヴンズ先生によると、アメリカ椿大神社の実践には、日本の修験道の味は少なくないそうだ。禊の修行を重視したり、息の吸い方にも気を使うそうだ。これも、神道の伝統な流れを組む行動だから、アメリカでもある程度栄えることは国際化の本物だといえよう。

アメリカ本土にある唯一の神社だと思うが、存在することで有意義だと否めないだろう。神道の国際化との取り組みを検討したら、このような神社をちゃんと見つめるべきだと私が思う。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: