人種差別の種別

先に人種差別についての投稿を公開したら、抵抗感を表すコメントもあった。だから、ちょっと誤解された可能性に気づいて、人種差別の種別についてちょっと書きたいと思う。

一種は、典型的な人種差別だと言えるだろう。それは、或る人種に対して憎みや軽蔑を抱える態度だ。結婚はもちろん、社会交流も拒む態度で、憎む人種を絶滅させても良い気持ちだ。ナチスドイツのユダヤ人に対しての人種差別はそうだったし、アメリカの黒人に対しての人種差別もこの種類だと思う。「人種差別」という言葉を聞いて、これが思い浮かぶことは多いだろう。

このような人種差別は、日本には極めて珍しいと思う。少なくとも、私自身には遭ったことはないし、過激的な右翼の人でも、このように言うことは少ないようだ。外国人参政権に反対するデモでも、通りすがりの外国人には丁寧に呼びかけることもある。どこの国にもこういう憎みを抱える人がいるので、日本にもいるはずだが、国のレベルで問題にならないと思う。この意味で、政府が主張する「日本で人種差別は問題ではない」とも言える。

だが、それは人種差別のすべてではないのだ。次の種類は、人種によって偏見を持つことだ。例えば、白人だからこそ、英語ができる偏見はその一例だ。問題になる場合もある。私の経験から例が挙げられる。十年以上前に日本人の彼女がいた。つき合ったのは、一年間ぐらいだったので、白人を憎んだり避けたりするほどの偏見を持たなかったのは明らかだろう。だが、私が日本で生活できないと思い込んで、結活するために別れた。その偏見は間違いだったことも、もはや明らかになった。日本では、このような人種差別は珍しくない。「日本人ではないので、このことはできない、わからない」という場合は少なくない。相撲協会の規則も、このような人種差別から発生したと思える。憎む種類を抱えた、外国出身の横綱は一人もいないはずだから、それはないと言えるが、外国出身の力士の制限を置く必要があるという考え方、この人種差別の種類の典型的な例だ。

このような人種差別にも二つの種類もある。一つは、人種自体を重んじることだ。これは、純粋な人種差別だと私が思う。憎まなくても、人種そのものを資格として思ったら、それは人種差別だ。

もう一つは、人種そのものを気にしないが、他の資格の証として人種を使うことだ。例えば、日本語能力とか、茶道の理解などを、日本人にしかないと思う態度だ。これも事実上人種差別だが、基盤は間違いだ。日本人の日本語能力を上回る日本語能力を持つ外国人もいる。私はそうではないのがよく分かるが、芥川賞を授賞した外国人もいる。だから、人種そのもので区別するつもりはないなら、人種を完全に無視したほうがいい。しないと、資格を持ついい候補を見逃す恐れがある。

最後に、人種差別と言われるもう一つの問題があるが、この場合は、私が個人的に人種差別と言わないほうがいいと思う。これは、別な人種の人の立場をちゃんと考えないため、その人種に迷惑をかけることだ。いい例は、日本の通訳ガイドの試験だ。ホームページによると、外国語で観光案内をするために、試験に合格する必要がある。だが、日本についての知識の試験は、日本語で作文を作る問題もある。要するに、日本人並みの日本語を持たなければ、日本語で日本の文化が説明できなければ、通訳ガイドになれないのだ。しかし、外国人のガイドを考えれば、これは問題になる。母国語で日本を説明して、日本語で予約や注文できれば充分だ。その上、歌舞伎についての作文を日本語で書くことができるようになるために、余計な勉強は必要だ。結果は、外国人は母国語で日本の案内はできないことだ。結果的に、人種差別のようになったが、目標はそうだとは思い難いのだ。

このような問題は、日本にはよくある。移住民も人種も少ないので、日本生まれの日本人を標準として捉えることは多い。だが、制度を作る人の態度は、外国人大歓迎の場合もある。それを人種差別というのはあまりにも可哀想だ。このような問題を認識して、解決するべきだが、原因は人種差別ではない。ただの経験や知識不足だ。そして、外国人や人種の少ない環境で生きてきた人には、当たり前の無知だ。

実は、日本で、このような問題に気づいたら、なるべく軽減しようとするケースは多い。法律が変わって、日本に永住する人も入国で指紋などの手続きが必要になったら、日本住まいの外国人に迷惑になることに気づいて、専用な窓口を設けた。外国人が住民票に載らないことが問題になって、備考の欄に書いたり、法律の改善したりすることになる。これを踏まえて、人種差別というべきではないことは明らかだし、憎む人種差別は日本には極めて珍しいことも裏付ける。

日本人の他民族に対しての態度は、暖かいと思うので、日本が多人種な社会になれると思う。欧米の失敗も避けられると思う。ただ、人種の可能性をより広く見てほしいのだ。


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コメント

“人種差別の種別” への1件のコメント

  1. とおりすがりのアバター
    とおりすがり

    人種差別というと 小樽の浴場「外国人お断り」問題が思い浮かぶので、検索してみました。

    小樽の「外国人お断り」事件 (原告側言い分)
    http://www.asyura2.com/0601/asia4/msg/661.html
    小樽の「外国人お断り」事件は、悩んだ末のポスター
    http://www.asyura2.com/0601/asia4/msg/651.html
    「外国人お断り」事件に関する聞き取り調査
    http://www.asyura2.com/0601/asia4/msg/663.html

    これを読むと、
    – 「ロシア人お断り」なら人種差別だから平等に「外国人お断り」にしよう
    – 外見が外国人だと日本人であってもルールが守られていないように
    見えるからダメ
    とか、変な方向に行ってしまっていたようですね。

    問題になった後は、

    – マナーを知っているかどうかを聞いて判断する

    という所もあったりしてマシになっているようですが.. 今はどうなっているのでしょうね。問題の元になった「ロシア人船員」の間でマナーが浸透してうまくやっているという話も見た覚えがありますが実際のところまでは知りません。

    参考まで。