月の恋人

北川景子さんが出演した月の恋人という連続ドラマをやっと見られた。今回ちょっと遅かった。印象は二つあった。

一つは、北川さんの演技はもう満開だ。優秀な俳優に囲まれても、劣る点はなかった。去年のブザー・ビートで、少なかったがたまにちょっと足りないような気がしたが、今回は完璧だった。『筆談ホステスも』そうだったし、『花のあと』も同じだったので、潜在能力を実現する経過が終わったようだ。これからも上達できると思うのだが、そうすれば二回目のハリウッド出演でアカデミー賞を得るのかなと思うほどだ。

もう一つは、台本は、一回作成してから、最初から訂正する機会があったら良かったということだった。最終話は、ドラマの一番いいところだったと思うが、テーマは前半にはっきり描かれなかったし、蓮介とシュウメイの関係の描き方には欠点があったような気がする。だが、根本的な問題は、蓮介のなかの緊張感や自己誤解の問題は、ただ最後の二つの話で出てきた。だから、一回最後まで書いて、そして全体の構成が分かったら、最初からの手を入れて、構造を磨いたらよかったと思わざるを得なかった。しかし、撮影しながら台本を書くのは日本の連ドラの定番だそうだから、その機会はなかったと思う。ネットで調べたら、脚本家の浅野妙子さんは、大奥のシリーズの台本も作成したそうだから、能力の問題ではない。それに、北川さんが演じた柚月の発達が上手く描かれたと思う。原作には問題があった可能性もあるが、小説からドラマを変更することは努力せずにできることではないので、締め切りの厳しさにちょっと負けたのではないか。

結局、全体的に惜しく思う。準備にはもう少し時間があったら、本当に素晴らしいドラマになれたと思うからだ。


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