『神道の基礎知識と基礎問題』

この本はとにかく長い。実は、基礎にしたら、充分丈夫だと思う。728頁で、神道のすべてを紹介する本だから、神社本庁が神職の資格を取ろうとする人に薦めるそうだ。最近、やっと読み終わったが、もう内容の半分以上を忘れてしまったような気がする。含まれた情報は本当に山のようだ。短く包括することはできないので、内容の紹介より、私の印象について書きたいと思う。

もちろん、もう知っていた内容は少なくない。神道についての本を沢山読んできたので、基礎知識を或る程度あるはずだ。だが、この本は思い切り神職向けだから、アプローチが異なる。例えば、祭についての項で、激変する社会の中の祭が課題になるし、祭の変化も課題になることは当然だろう。ただ、現象として課題になるのではなく、自分の神社の祭を変化するべきかどうか、そして変化するべきと決めたら、どうやって変化するべきかのような問題に取り組む。勿論、本質を保ちながら更新したほうがいいと強調するが、具体的に慎重に進んで、氏子と神社関係者はもちろん、専門家や有識者とも相談してから決断したほうがいいというアドバイスで終わる。神社によって状況が異なるので、一括で答えることはできないからなのは明らかだ。

そして、小野氏の神道への態度も興味深い。保守的な要素は強いのは驚くほどではないだろうが、それに加えて根強い寛容的な態度も表れる。古代の神道を真似するべきではないと述べて、現代の状況に合わせて神道を営むべきと提言する。その上、外国人の参加に対して反対な立場を避けて、積極的と言うほどではないと言っても、可能なことで、将来に増えるだろうという態度がある。(実は、小野氏が英語で神道の入門を著したので、個人として外国人の参加に対して積極的だったのではないかと思う。ただ、40年前の神職にとって、急務ではなかっただろう。それは確かだ。)神社本庁がこの本を推薦すれば、本の態度を否定しないはずだから、これも私にとっていいことだ。

この本が本当に勉強になったが、次の読本として、より短い書物を選ぶと思う。


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