今日イギリスのGuardianという新聞で読者の好む旅行先が発表された。海外の都市で東京が一位になった。そして、イギリスから遠い国で、日本は二位に立つ。やはり、日本の魅力が認められる。この発表と一緒に、一位の場所を紹介する記事も公開されるが、東京についての記事は興味深い。(あいにく、英語のみだ。)
この記事の主旨は、東京が西洋の都市と根本的に異なることだ。日本人が西洋化をよく指摘するが、私も記事の作家のイヤー氏の意見に賛成する。東京がもう江戸に似ていないことは確かだが、西洋の都市にも似ていない。イヤー氏がさらに言うのは、東京が東洋の都市にも似ていないということだ。要するにイギリス人の東洋の都市のイメージとも異なる。現在の東京は日本の独特な都会だと言える。イヤー氏によると、東京の魅力が詳細に見つかるそうだ。記事の中から数点をピックアップしたいとも思う。
先ず、マックの月見バーガーを例として挙げて、日本で西洋に馴染みな筈であることさえ日本的な返信を遂げて、予想外になることだ。私にも印象を与えた現象だ。他の例として、洋風結婚式で新郎新婦が鐘を鳴らす習慣があるが、それはイギリスにはない。鐘を祝う為に鳴らすことがあるが、新郎新婦がそうする習慣を聞いたことはない。このようなことが私が上に述べた「西洋的ではない」日本の本質を象徴すると思う。どこの国でも同じなのかもしれないが、少なくとも日本で海外から何かを借りても、日本の風土に調和するように調整する。この現象に日本の将来の伝統で固有の文化の種が見えるだろう。茶道が中国から輸入したお茶から産まれてきたように、バーガーからバーガー道が産まれる可能性を意外に否めないだろう。食べ物といえば、牛丼や天麩羅はもう西洋の食文化の生まれ変わりだし、アニメは西洋のアニメの変身でもある。だから、私がこの現象を楽しみながら、肯定な気持ちで見る。
そして、イヤー氏が「世界一醜い都市風景の中にある店は一つ一つ優れる」。雅のある場所もあれば、ダイナミックな雰囲気を誇るところもある。隣接する場合も少なくない。これは確かにそうだと思う。日本の社会のイメージは、統一された均一的な構成になることだが、この例に従う現象はむしろ少数なのではないかと思うようになった。この現象もその一つだ。同じ近所で根本的に異なる建物やお店があるし、街を構えたら全面的に計画を作ることは極めて少ないようだ。素晴らしい建物が充分あるが、隣接する建物に合うかどうか問われなかったように見える場合は殆どだ。個性の表現だとも言えよう。
最後に、「流行の下地として、不変な日本が続く」ともイヤー氏が言う。例として、「明治神宮に入ったら、数百年が経ってもあまり変わらない日本に包まれる」という。それはそうだが、明治神宮の境内林が90年前に全国から寄付された植木で作られた人工林だ。数百年どころか、早く年前にも存在しなかった。明治神宮の建築も、五百年前の神社建築と大きく異なる。明治天皇を神とすることも、明治維新以降の宗教型だ。要するに日本の長い伝統の象徴として、明治神宮は全く相応しくない。
だから、この点で、私がイヤー氏と同意できない。不変は日本はないと私が思う。統治の形が百年毎に変革するとも言えるし(江戸時代は例外だ)、神道にも同じく変動が著しいし、芸術や美術にも変化がすぐに見える。日本の伝統が生きている。これは私の判断だ。生きているからこそ、変革する。明治維新で前の日本の文化を塗り潰そうとしたが、大化改新も同じだった。能楽や歌舞伎も、怪しい低俗的な芸能として産まれたが日本の文明の結晶になった。「大和魂」と言っても、変わってきた。平安時代の貴族の男性と江戸時代の武士には共通点は少ないと思うし、戦国大名がまた大きく違う。成長したり環境に対応したりする生きている人間のように、日本の文化が変革を遂げながら受け継がれる。いいことで、日本の文化の力にもなると思うが、「不変の日本」を唱える人は根本的に間違えると思わざるを得ない。
コメント
“日本の人気度” への2件のフィードバック
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同じ近所で根本的に異なる建物やお店があるし、街を構えたら全面的に計画を作ることは極めて少ないようだ。素晴らしい建物が充分あるが、隣接する建物に合うかどうか問われなかったように見える場合は殆どだ
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日本は土地の私権が強すぎるということです。
俺の土地だから、どんな使い方をしても勝手だろうという考えがまかり通り、街づくりは無計画極まりない状況です。
イギリスの新聞らしく、日本を「世界一醜い都市風景」と上から目線で馬鹿にしているのは気に入りませんが、まあ、事実でしょうね。
嘆かわしいことです。
私権の強さはこの問題とも関係してきます。
http://www.davidchart.com/nihongo/2010/10/02/3281/#comments
@koaro 様、いつもコメントをありがとうございます。土地の私権の問題ですか。なるほど。イギリスで厳しい基準が設けられ、逆に建築が統一されすぎて、新しい形式と挑戦できなくなる場合は多いようです。バランスを取ることは難しいですよね。
ところで、東京を褒める記事の中で事実として認められる欠点が指摘されても、「上から目線で馬鹿にしている」と看做すべきでしょうか。「店は一つ一つ優れる」という続く文章を見逃さない方がいいと私が思います。