女躰大神

神社の境内で園児が集まる
塞がれた参道と左の木の下で園児が見える。参拝する為に出入り自由だが。
川崎駅の北側にあるラゾナプラザ川崎の北に鎮座する女躰大神{にょたいだいじん}に昨日お参りした。都心の神社だから、境内は広くないが、印象的だったのは境内そのものが幼稚園の園庭になったことだった。園児が本殿の前で遊んでいたし、鳥居の中に冊があった。看板に書かれたことは、「参拝以外の目的で入ることはできない」だった。境内には狛犬や灯籠に加えて、滑り台などの遊具もあった。子供の声が響いて、雰囲気はとても良かった。

そして、御朱印を依頼したら、待っていた間に冷たいお茶を頂いた。初めてだったが、感動した。御朱印を頂いた時に神社の方とちょっと幼稚園についてのお話を聞かせていただいた。(宮司か禰宜か分からないが、若く見えたので、禰宜かな。)幼稚園がある理由は、江戸時代に境内に寺子屋があったことだそうだ。だから、時代の流れとともに、寺子屋が幼稚園に変身した故だ。園児もちょっと挨拶してくれたが、殆ど遊びに夢中だった。家からちょっと遠いが、そうではなければ幼稚園の候補にもなるだろう。

紙垂の間で神様の名前が見える。女躰大神のご祭神は、イザナギ神とイザナミ神だそうだが、八幡様、天照大神と諏訪大社のタケミナカタ大神も合祀されたので今日五柱が祭られるようだ。かながわの神社ガイドブックによると、神社の名前の由来は以下の通りだそうだ。或時、大雨の影響で多摩川と鶴見川が両方洪水になって、その挟まれた地をすべて水没させた。その苦しみに心を痛めた女丈夫が我が身を水に投じて、水神の怒りを鎮めた。それから大した洪水が無くなったという。その犠牲を感謝するために住民が祠を構えたが、それはこの神社の始まりだったそうだ。

女性と縁ある神社として、女性の悩みに答える神様として崇めてきたそうだ。特に安産、夫婦円満などの神徳で知られてきたようだ。ご祭神のイザナギ神とイザナミ神は、夫婦神で、国産みの神話で活躍するので、安産や夫婦円満などの神として崇められるが、水神を鎮めることとはあまり関係はないと思える。女性が我が身を水中に投じて波乱を鎮める神話は、日本書紀の日本武尊の神話で出てくるので、かなり歴史のある伝承の形だと言える。それに、女躰大神という名称がイザナギ神とイザナミ神とあまり係らないようだから、生け贄の伝承から生じた神社で、後世に神徳を見てご祭神を記紀神話の神様にされたのではないかと私が思う。

なぜか、この神社の雰囲気はとてもよくて、気に入った。川崎駅に本当に近いので、また参拝したいと思う。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: