大分事件

最近大分市で永住許可を持つ中国国籍の女性が生活保護を申請したが、拒否された。市を相手取りに訴訟して、地裁の判決が下された。その内容は、外国人には生活保護を受給する権利はないことだそうだ。

当人は、日本生まれで、もう78歳になったそうだから、税金をちゃんと納めたとも推測できるが、判決が経済力に触れずに国籍そのものが申請を却下する議決に足りるとの内容だ。国籍で貧窮に送るのはいかがなものか。

確かに先月日本に初めて着陸してばかりの外国人に生活保護を受給させる義務は一切ない。しかし、このケースはそれと全く違う。当人には永住許可があるし、それに日本生まれだ。国民ではないとは言え、社会の一員だとは否めないだろう。

この判決が参政権の問題にも触れる。外国人の参政権に反対する人がよく「税金を納める報いとして、日本人と同じ利益を受けるので、参政権を与える必要はない」と言う。だが、ここで明らかになったのは、同じ利益を受けないことだ。だから、このような論議には説得力が無くなった。現実はこうであれば、参政権を与えない限り、「外国人控除」を設けるべきなのではない。全額免税する必要は確かにない。外国人が受ける利益もあるからだ。秩序とか道路の整備などはそうだ。一方、生活保護のような福祉に注ぐ支出の割合と相当する割合で控除すべきだと言いたい。生活保護などを受給する権利はなかったら、参政権はない限りその保護を支持する義務も倫理的に発生しないと思える。

滞在資格や滞在期間の条件を設置することはもちろんいいけれども、受給する権利を与えないことは根本的な間違いだと思う。法律上そうであれば、今国会で法律を改善すべきだと私が思う。


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