尖閣諸島映像流出

最近NHKのラジオニュースが尖閣諸島沖での衝突事件の映像が流出された問題にほぼ独占された。ちょっと過剰な報道なのではないかと思うが、確かに重大な問題だから編集者の判断が間違ったとは言いきれない。しかし、内容に気になったところがった。それは、捜査のあり方に付いてだ。

先ずは、昨日まで流出したと名乗った海上保安官が任意で事情を調べられたとよく言われるが、保安官のコメントが報道されると、「家に帰れないのは仕方ない」のような内容があった。任意の捜査であれば、いつでも帰ってもいいはずだ。帰るわけにはいかない状況になったら、それは勾留と変わらないだろう。そうであれば、検察側が逮捕すべきなのではないか。日本の法律でもう先進国の基準を大きく上回る期間で起訴する前に勾留して捜査できるので、それに加えて強制的な任意捜査を行ったら、問題になると私が思う。そして、保安官が「必要はない」と言いながら、弁護士を解任したそうだ。たしかにこの保安官の判断力が著しく欠けるが、このような状態で弁護士を放置することは、検察側からの圧力の結果であるのように思っても仕方がない。これも問題だ。逮捕されていない人は(逮捕状はまだ出ていないので、容疑者でもない)素人で、関連法律にも詳しくないはずだ。一方、検察官はプロで、法律に詳しいはずだ。だから、力関係は均衡ではない。この問題を和らぐ為に弁護士を雇うので、無罪であればこそ、容疑を認めればこそ、弁護士は必要不可欠だ。

もう一つは、保安官が告発する前に検察側が「保安庁のパソコンや保安官の所有のパソコンから流出しなかったので第三者の干渉を調べる」との報道があった。検察が本当に国家公務員はそれほど馬鹿だと思うのか。国会で映像を公開すべきかどうかが論争の焦点になる状況下あの映像を流出しようとすれば、自分のパソコンからする筈はない。少なくとも今回のようにネットカフェに言って、公衆パソコンからする。だから、なぜ第三者が浮上したか分からない。国家公務員を潔白にする本能だった可能性もあるが、捜査の戦略の一部だったとすれば、不思議に思わざるを得ない。

と言っても、確かにこれほど報道陣の焦点になった検察官の判断も簡単ではないし、報道で得た情報も完璧ではない。だから、得た情報から不思議に見えることに過ぎないと言わなければならない。

そう言えば、もう一つ不思議なことがある。中国側の反応の報道は一切ない。反応はないのだろう。


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