この神社の名称は特に読みにくいと思うが、「しとどまえかわじんじゃ」ということだ。(「前川神社」の部分は特に読みにくくないが。)この神社には案内板も、ホームページも、駐在神職も整っているので、寂しい感じは全くない。大山街道を歩きながらお参りしたが、街道からちょっと離れて鎮座する。横浜市にあるが、周りには田圃や畑が広がるので雰囲気も良い。
神鳥前川神社のご祭神は、ヤマトタケルの命とオトタチバナヒメの命だそうだ。1187年の建立だったそうだから、中堅神社だと言えるだろう。境内は奇麗で、丘の上に鎮座するが、鎮守の杜の影響で見晴らしはあまりない。ただし、境内の脇に休憩所が設けられ、そこから水田を見渡せるので、休日に訪ねればいいだろう。社殿と社務所を繋がる橋があるが、社殿の前の境内が広場になって、お祭りの時に使われるかと思った。橋をくぐれば、ちょっと面白い摂社がある。
先ずは、八坂神社と稲荷神社が鎮座するが、両方が同じ朱塗りの祠に鎮座する。このような形は確かに珍しくない。例えば、稲毛神社にも大宮氷川神社にも同じような形が見えるが、その場合は七座になる。だが、この場合本当に稲荷神社のように見えるし、狐の眷属像が稲荷神社の扉の脇ではなく、祠の脇に置かれた。そして、鈴も賽銭箱も一つで真ん中に置かれたので、合わせて拝めるべきだと示唆される。

そして、浅間社もある。それは、写真で見えるように、富士山の形を倣う塚を中心にする。周りに石像の輪があるが、仏像も入っている。浅間信仰が富士山を崇めるので、山岳信仰の一種で仏教色は濃かった。それがここに仏像が残る理由になっただろうと思った。

この神社の雰囲気は本当に良かった。休憩所やベンチが備えられたからか、鎮守の杜の木々が聳えたからか、私の気分が散策のお陰で清らかになったからか、それとも超自然な影響を受けたからか、分からない。多分、活気が溢れた神社だからだろう。石段の下の鳥居の隣に車のお祓い所もあったし、前に述べた通り駐在神職もいたし、境内には設備も充実だったし、清浄も保たれた。一方、観光地のような雰囲気はなかった。原因はともかく、雰囲気が特にいい神社である。参拝したら、「ふぅぅん、こういうことか」と思う神社もあれば、「またお参りしたいな」と思わせる神社もある。神鳥前川神社は後者の一つだ。また参拝する機会があるかどうか分からないが、あればお参りしたいと思う。