今回の政策は一般社会と関わらないが、学界には重要なことだと思う。日本の研究は、アジア太平洋地域で最上位を占めるものの、共同研究が欠けるとはよく言われる。一番問題になるのは、国債共同研究の不足だそうだ。なぜなら、今日の研究が国境を越えて行われるので、研究者が海外の研究者と結ばなければ、どんどんスピードを落として、最先端から離れてしまうからだ。それだけではない。研究者の間の人脈が国際交流のいい例になって、平和や貿易にも貢献すると言われる。研究者は、ある意味で競争するとはいえ、原則として何でも分かる為に協力する使命だし、専門の知識がすぐに共通点になるので、自然に渡橋になる人たちだ。このような絆を促進したら、国益になるに違いない。
実は、この現実はもう日本で認められている。日本学術振興会が様々な方法で海外からの研究者を招いたり、日本の研究者を海外に派遣したり、共同研究に専念する機関も設定したりする。このような行動には成果を期待できると思うが、まだまだ不十分だといえよう。先月末にNatureの科学雑誌に制裁されたデータによると、2008年に日本の研究の産出の四分の一以下が国債共同研究の結果だったそうだが、それは下から6番目で、ヨーロッパの国の全てを下回るし、アメリカも下回る。韓国やブラジルも僅かだが、下回る。一方、最上位のスイスで、国債共同研究が国の産出の6割以上を占めるそうだ。
ヨーロッパ連合がヨーロッパ内の共同研究を促進するために、条件付きの補助金を設けた。条件は、少なくともヨーロッパの数カ国が共同研究を行うことだった。だから、日本政府が今の補助金に同じような条件を付けたら、国債共同研究が増えると思える。4割を目指したら、補助金の総額の四分の一を国債共同研究に充てたらいいだろう。政策として、新しい財源は不要だし、反発も弱いと推測する。なぜなら、研究者の間でも国債共同研究を行った方がいいのが広く認められているからだ。詳細を批判する人がいるのは不可避だが、一般に反論を起こす政策ではないと思う。日本の研究の刷新にも貢献するし、海外の研究者が日本の研究と親しんで、共同研究の提案が増えて行くとも予想する。