伊勢山大神宮

金属な階段が鳥居へ伊勢山大神宮と呼ばれる神社だが、大きな神様のお宮ではない。むしろ、超小規模な祠に留まる。木造の天気から守る為の小屋の中に神棚用の宮型が納められて、その中に神宮大麻がご神体の役割を果たしているようだった。参道は、急な斜面を上る金属な階段だったが、段を踏まえれば、階段が揺れたり鳴ったりする。境内の周りに金属の網柵が廻らされるので、木々があるとはいえ、神社の境内の雰囲気はほとんどない。網柵がある理由は、神社の境内が公園の一隅が割かれて作られたからだ。公園との区切りになる。「大神宮」と呼ばれた理由は、単純に天照大神を祀るからだろう。

一方、祠はこのようであっても、境内には立派な石碑があるし、祠の中に榊が供えられた。だから近所の人がまだこの神社を見守ることは明らかだった。地名から分かるように、古から伊勢の神宮を崇めた地域なのようだから、伊勢山大神宮は文字通り大神宮だった時期もあったのだろう。

しかし、何かの直感があった神社だった。錆びた鳥居や安全性の疑わしい階段も、網柵も神棚の宮型も、寂しい気持ちが漂った。忘られていないことを示唆する要素があちこちに潜めたので、神社の遺体ではなかったが、古代の遺跡を見つけるような感じだったのだろう。それとも、秘密を共有するようになったかのような印象だっただろう。この神社にお参りする人は少ないと思うしかないが、神社はまだ放置されていない。甦る力が潜在する雰囲気だったのではないか。


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