著作権は重要だと思う。作者として、それは当たり前だろう。しかし、著作権が有効であれば、他の人にはその発想を使う権利はない。これは著作権の目的であるのは言うまでもないが、社会的にはちょっと問題になる。作者以外の人の立場から見れば、自由に使ってもいい小説、音楽、映像などのほうが有利だ。だが、作者には独占する権利はなかったら、収入を得る可能性が少なくなるので、おもしろい小説や映画を社会として得るために、著作権は必要だと私が思う。他の方法がある可能性もあるが、具体的な提案はまだない。だから、妥協案が必要になると思って、この政策を考えた。
著作権の所有者が著作権を完全に放棄したら、原則としてその作品から得た収入のすべてを税金控除にする制度を設けたらいいと思う。著作権の有効期限が近づいたら、全額にならないほうがいいと思うので、期限切りの40年前まで全額で、そして毎年2.5%削減したらいいだろう。今現在、著作権の保護期間は著作者の死後50年間に及ぶので、40年間は著作者が死亡してからの制限だ。要するに、30年前に大ヒットだった作品を今著作権を放棄すれば、控除が発生する制度を提案する。この控除を一気に使わなくてもいい措置も必要だと思う。そして、所得税だけではなく、法人税や相続税にも適応すればいい。
この措置で、著作権の保護期間が終わるまで著作権を握らないほうが有利である場合が発生すると思う。例えば、10年間儲かったが、最近売れていない作品があれば、税金控除の方が役に立つだろう。だから、著作者が任意で著作権を放棄して、社会に譲渡する。そして、収入がなかったら意味はないので、或る程度注目された作品に限る。だれも関心を持っていない作品が使えるようになっても、あまり意味はないので、この制限で価値がある作品に対象を絞る。
もちろん、大人気な作品が公開されるはずはない。一方、昔大人気だった作品が公開される可能性もあるし、今大人気であるシリーズの始まりが公開される可能性もある。後者の場合、確かに他の人がキャラクターなどを使って別な作品を作ることができるようになるが、最新作の内容を使うことはできないし、著作者の関与はないので名誉は少ないし、それに控除が予想する損失を上回る可能性もあるので、この方法を選ぶ著作者もいると思える。結果は、自由に使える作品がより早く増えることで、文化の活性化と繋がることを期待できる。
確かに効果が薄い虞れがあるが、試さない限り分からない。効果は薄すぎたら、また方策を考えてもいいだろう。任意だから、作品の作成を抑制するはずはないので、少なくとも悪影響はないと思える。財源は必要だが、効果が莫大にならなければ、些細な金額に止まるだろう。だから、この政策も、試してみたらいいと思う。