私の英語の生徒さんの一人は大学の教授で英語で研究の結果を出版することになったので、レッスンで論文の英語の訂正に努めることが多い。ようやく成果を挙げて、論文をJapan Reviewという論文誌に出版してもらった。論文の内容は、江戸時代後期の町人の女性の音楽教育だが、三味線の位置を検討する研究だ。
絞ってまとめたら、親も娘も三味線の習得に一生懸命励んだ理由は、大名の屋敷で使えるためだった。使えたら、武士のマナーや文化を身につけて、町人同士で良い縁を結ぶようになった。それに、大名に仕える高級武士と結婚する可能性もあったが、最高の目標は、大名の側室になって、跡継ぎを産むことだったそうだ。これは、町人の親が公表的に目指すことだったようだから、現在の社会と違うと思われる。
しかし、私がちょっと考えたら、現在のAKB48のようなアイドルに酷似するのではないかと思いついた。子供をアイドルにさせようとする親は確かにいるし、そのようなことを隠す必要も認めない。一方、娘をAKB48に入らせたくない親は少なくないだろう。如何に稼げても、社会的な位置は良くないとも思う人がいるような気がする。だから、江戸時代を考えたら、大名の側室を目指すことも同じだったのではないか。卑しい身分だとは言えないが、なんか怪しい要素があったかと思う。