『祝詞作文』

この本は稲村眞里という神職に著され、神社新報社に出版された神職の養成講座用の祝詞作文の教科書だ。今読んでいる理由は、勿論私のご祈祷の為の祝詞を作成する為だ。前に読んだのは、もう3年位前だから、内容をちゃんと覚えていない。教科書だから、内容の殆どは実践用の方法や応用の情報だが、二つの点を取り上げたいと思う。

一つは、祝詞の慣用句の「手のまがい、足のまがい」を改めて知った。真由喜の日本舞踊開始報告祭の祝詞のなかで、この表現は使われたが、そのとき慣用句であることに気づかずに「手の間違い、足の間違い」として聞き取った。だから、現代語を使って祝詞風な表現を組み立てたと思ってしまった。やはり、知識を深めると見えることも聞こえることも増える。正式参拝に参列したら、いつも祝詞の内容を聞こうとするが、まだまだ知識が足りないようだ。まぁ、だからこそ今勉強しているよね。

もう一つは、表記のことだった。作者が祝詞の表記方法を宣命書きとしたが、それは漢字の万葉仮名を使って、仮名をちょっと右に寄せて小さく書く表記法だ。だが、これで漢字などの読み方に迷うことがあるので、ルビを振ることもある。その場合、厳粛味が劣ると言ったが、仕方がないとも認めた。最低限に抑えるために、片仮名の使用を勧める。その理由として、片仮名には宗教的で古典的な気持ちが入ると言った。本が著された昭和31年にはそうだったかもしれないが、現在片仮名には外来語、特に英語から借りた語彙の印象を与えるので、私なら祝詞に片仮名のルビを振るのはよくないと思わざるを得ない。環境が変わったので、適切な行為も変わったと言えよう。

さて、実用の本として、役に立ちそうだ。これから作成と挑戦するので、本当に役に立つかどうか、すぐに体験する。


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