環太平洋経済連携協定

昨日、野田首相が環太平洋経済連携協定の交渉に参加することを表明した。この決断に反対する人も少なくないし、慎重にする人も多いそうだし、私は慎重派にいる。理由はいくつかある。

先ず、環太平洋経済連携協定が貿易に刺激になって、国内総生産を向上するとしても、それは必ずしもいいとは限らない。ブログで何回も言ったが、国内総生産を唯一の重要な数値にすることはよくない。評価する為に、全面的に考える必要がある。その点で、農業への影響、そして医療への影響、金融への影響も考えざるを得ない。格差が広がれば、国内総生産が上がっても国益に背くこともある。

そして、あらゆる業界で「自由」を保障することは、政府の関与を拒むことだ。しかし、市場の動きで、政府が制約したり促進したりする必要がある場合は少なくない。現在の経済危機を見たら、それは明らかだ。政府が関与しなかったら、銀行の大半が倒産して、大恐慌になったそうだ。普通の場合でも、労働基準法などは労働者を守る為に必要だ。協定でこのような干渉を認めながら自由を保障することは不可なのではないかと思う。なぜなら、法律で制約してもいいところを明記にすれば、業界の全てに及ぶからだ。行政が必要な権利を悪用すれば、弾圧になるが、経済も例外ではない。

最後に、完全に自由な状態で、弱肉強食になる。これはよくないと私が思う。だから、市場の自由度を増す協定に慎重になることは当たり前だろう。

一方、自由主義者で、そして国際的な貿易はいいのは原則だと思うので、反対派だとは言えない。だから慎重派だち名乗る。交渉に参加してもいいだろうが、結局締結するかどうかはまだ決まっていない条件を設けるべきだ。


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