商品に対する責任

昨日会社の廃棄物に対する責任についての投稿にしたが、廃棄物だけではなく商品もあるし、商品から被害が発生する場合もあるので、その場合どうすればいいのだろう。同じように会社の責任にするのは簡単だが、不公平だろう。

なぜなら、商品を買った人には、商品の所有という利益がある。お金より商品が欲しいので、交換したからだ。だから、商品を買った人にも商品の利益が及んだので、利益も損害も同じ人に付くようにする方針であれば、消費者にも責任があると言える。しかし、責任分担はちょっと難しい。

極端のケースを考えたら、原則がちょっと見えてくる。消費者が商品を用途の通りに使って、そして広告された、または誰でも予想できる結果が発生する場合、その結果は消費者に好ましくなくても会社が責任を一切背負わなくてもいい。例えば、車に乗って、わざと壁に打っ付かったら、車の製造販売者には責任はない。車が走るのは本能だし。

同じように、全く予想外な使い方で損害が発生したら、それも使用者の責任になる。例えば本で人を殴ったら、本の作者や出版社には責任はない。

一方、普通の使い方で予想できない損害が発生すれば、それは企業の責任になるだろう。例えば、パソコンの画面からの放射線で癌が発生したら、それは製造会社の責任になる。

しかし、問題になるのは予想される副作用だ。例えば、車で交通事故が起こるのは当然だが、車を製造した会社には責任はないのか。同じように、テレビゲームで健康が崩れることも予想されるが、テレビゲームの会社にはどのような責任があるのだろうか。現在の制度で、会社の責任ではないが、それは妥当であるかどうか疑う。ある結果が出ることを確実に予想できれば、その結果に対する責任があると思う。勿論、全面的な責任ではない。テレビゲームで運動不足になるのは、遊んでいる人の意志とも関わるので、会社が多くても責任の一部を背負う。でも、その一部を背負った方がいいだろう。

このような場合、製造側が問題が発生しないように努力すれば、責任の軽減になるべきと思う。例えば、テレビゲームで、一時間遊んだら一時停止になる制度があれば、運動不足や寝不足の責任は認めない。勿論個人の責任もあるが、会社も問題の軽減に努めるべきと私は思う。

この発想の基盤になる概念は次の通りだ。人が自由に決めるのはいい。ただし、そうする為に決断の結果の利益も損害も自分で背負う必要がある。利益を譲って上げてもいいし、他の人が自発的に損害を背負ってくれてもいいが、損害を人に強引に付けることは許されない。自分の決断の責任を自分で背負うのは基本だから、その原則を企業にも当てる結果として、このような制度になる。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: