今年、東京都の平均世帯の人数が始めて二人を下回ったそうだ。23区内の世帯は、平成17年から二人を下回ったそうだが、この傾向が50年代から続いてきたそうだ。最近、独居する高齢者の数が増えたので、平均人数がより減ったと分析される。
この傾向は問題だと思う。まずはマスコミで話題になるいわゆる「孤立死」などは、同居する人はいない高齢者に得に関わる問題だ。二人世帯でも、浴室での転倒などが孤立死にならない。その上、環境問題を考えたら、エネルギーなどの使用量は、世帯当たりの部分もあるので、三人の世帯の資源消費は三つの一人の世帯の三倍ではない。必要な物理的な空間も減るので、得に首都圏で世帯の人数が上がれば、生活環境がより快適になるはずだ。家族や社会の絆のような利点も期待できよう。
しかし、この問題の解決は本当に困難だ。行政が一般市民の居住に関与するわけにはいかない。強制的に大家族で住ませるのは自由をひどく侵す。だから、税制などを考えて、まず独居には税制上利益はないように気をつけたほうがいいだろう。
でも、行政ができることは少ないだろう。それより、新しい暮らし方を考えて普及するべきだろう。結婚が遅れるので、親の世帯を出たとたん新婚の世帯に入るパターンはもう過去のことだ。そして、死別で一人暮らしになった高齢者は、結婚などで世帯の人数を増やす機会は少ないだろうし、大人になった息子や娘には大家族で暮らすスペースはないだろう。昔の攻勢で解決できない。
だから、新しい攻勢を発想しなければならない。これからの課題だ。