気づかないごっこ

最近、真由喜にはちょっと妙な遊びがブームになった。それは、真由喜が言う「気づかないごっこ」だ。遊びの内容は、真由喜が私の回りに何かをするが、私が気づかないふりする。真由喜がやる行動は、例えば私の足に登ったり、私の顔にティッシュなどを置いたり、それとも一人でのごっこ遊びを私の隣ですること。

この遊びの楽しさは謎だ。私が真由喜のことを無視することは楽しさの重要な一部だが、何でだろう。もちろん、真由喜が私が真由喜のことに気にしない心配は全くない証拠だからいいけれども、やはり謎だ。真由喜がこっそりとすることのごっこだと思うだろう。

ただし、普段は私が真由喜の存在に「気づいていない」ことを明確にしなければならない。例えば、「えっ、何の音だろう。誰もいないのに」と言ったり、「足に何かが降れたんじゃない。いや、何もない」と言ったりする。真由喜が大層喜ぶので、もちろんしてあげるが、とにかく遊びの醍醐味はまだまだ謎の中の謎。

小さい子供はそういう存在だよね。


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