うっかり脱原発

土曜日に泊原発の三号機が定期検査のために停止された。私が生まれて以来初めて日本には原子力で発電された電気は一般にない。

ほぼ同時に政府の環境計画で2050年までに二酸化炭素排出量を2000年比で8割減することが盛り込まれた。Natureの記事によると、エネルギー政策を巡る政府内の議論は激しいそうだが、そうではないとだめだ。原子力発電は、二酸化炭素をほぼ排出しない。電気供給の3割を占めた原発がなくなったし、再稼働の見通しはまだない。その状況下、日本の二酸化炭素排出量が急に2割増してもおかしくない。電気需要が3割減するわけはないし、不足を補うために火力発電所を再稼働したそうだから、化石燃料の仕様が急増した。そのために、二酸化炭素排出量も急増する。環境への悪影響は原発より、福島第一原子力発電所の事故より深刻だと思うが、二酸化炭素の悪影響が一瞬で限られた地域を脅かさないので、見逃す人は多い。

それはともかく、40年間弱で二酸化炭素を8割減するのは、無理に近い。できる民族がいれば、日本人だが、日本人さえできないことだろう。少なくとも、原発の再稼働が許されない限り。

去年の「ひどい」電力不足で需要を15%減少することは目的だった。需要を常時に30%減少するとして、そして原発と同じ発電力を持つ太陽光発電、風力発電、地熱発電などを設置しても、二酸化炭素排出量が半減もしない。

(今の排出量は、発電だけではなく、交通も多い。電力の需要を3割減にしたら、原発がなくても、現役の発電で賄うレベルだ。だから、去年の7割だ。再生可能エネルギーを原発と同じレベルにしたら、去年の3割になる。それは7割の半分に満たない。だから、発電の排出量が仮にギリギリ半減しても、交通などで排出された二酸化炭素が減少しないので、合計の排出量が半減に行かない。)

8割減を達成するために、まず半減して、そしてもう一度半減して、そして最後に2割カットする必要がある。40年弱で達成したかったら、かなり大規模な政策にならなければならない。それほど経済構成の変革を構えているのかな。


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