5月14日付けの『神社新報』に山谷えり子参議院議員の記事が掲載される。よくあることだが、今回は『家族の絆』を題として、保育を批判する趣旨だ。つまり、子供を保育園に委託すれば、親子の絆が成り立たないので、保育園を推進すべきではないという。
確かに0歳からの週5日の午前7時から午後7時までの保育は、子育てをしないことに等しい。好ましくない状態だ。しかし、一人親の世代で余儀なくされる状態でもあるし、二人親がいても低収入の家族であればまだ必要になる可能性は十分ある。そして、0歳からでも、1歳か2歳から週2日、3日の程度であれば、むしろ子供の成長や自律に貢献する経験だと思う。他の子供と一緒に特別ではない存在として共存することは、いわゆる団体生活で社会人になるためには必要だ。その上、家と違う環境で家と違う人で過ごせば、経験がより豊富になって、きっと好奇心などの刺激にもなるだろう。
さらに、保育園を白い目で見ることは、女性を職場から排除することとすぐに繋がる。誰かが子育てしなければならないので、保育所ではなかったら、母親になる傾向は特に日本では強い。これも好ましくないと思う。
しかし、驚くことに記事の最後に山谷氏が具体策を列挙すれば、強く支持することばかりだ。「家庭を社会構成の基本的単位とする法律の検討、三世代同居・近居の優遇策、育児休業の推進、大家庭が有利になる税制、まつりの復活などを真剣に考えていくことなど」という。詳細には賛成できない点もあるかもしれないが、大まかに意義はない。不思議なことだった。