貯金と国債

先日、現在の不況についての新聞記事を読んで、ちょっと覚ったことがあった。

資本主義の社会で、貯金は制度として問題である。貯金になったお金が消費にならないので、他の人の収入にもならない。だから、貯金が急増すれば、経済に悪影響を与える可能性は高い。

では、日本の家庭貯金は高いので、経済に問題があったといえるだろう。そうではないと思う。なぜなら、日本の国債の債務の総額は、家庭の貯金とほぼ同額だそうだからだ。つまり、政府が貯金を国債に変えて、経済に戻したと言える。経済制度から見れば、日本の貯金レートがゼロになったわけだ。だから、国民が貯金をしたが、経済には悪影響はなかった。もちろん、20年のデフレを見たら、悪影響があったことは明らかだが、貯金のせいではなかった。

だから、日本のように国内で持った国債を抱えることと、ギリシャのように海外で持った国債を抱えることは基本的に異質なのではないかと思ってきた。前者は、国民の貯金が経済に問題をもたらさないような措置としてもとらえられるが、後者は本当の債務だといえよう。

その結果、私の意見が変わっていっている。現在の日本には、緊縮策ではなく、膨張策のほうが相応しいかと。確かに今までの公共事行の影響はよくなかったので、知恵を絞って方法をより考えたほうがいいが、その方向で進むべきかな。


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