去年の東日本大震災の後で、昨年の海の日に福島県の神職がいわき市の小名浜で「千度大祓」を執り行った。それは、約百人を集めて、一緒に大祓詞を10回唱える神事だったそうだ。慰霊祭の意味も入っていたし、災害を祓って、復興を招く意味も入っているという。今年も、海の日に同じ神事を執り行ったが、今年國學院大學の学生なども参列したそうだ。福島県の神職が目指しているのは、この神事を恒例な神事にすることだそうだ。
私は、これに強く賛同する。このブログでも前にも書いたが、神道には新しい祭祀が発生するのは望ましく思う。そして、大きな悲劇に応じて新しい祭祀を設立することは、極めて相応しいと思わざるを得ない。千度大祓の儀式は、神道には歴史は長いし、災害の後で祓いを行うのも神道の伝統なので、神道的な災害への反応だ。そして、現在の事実に応じる祭祀だから、神道の活性力をも表現する。歴史のある祭りの多くは、歴史的な出来事から発生したそうだ。例えば、京都の祇園祭は、平安時代の疫病への対応だったそうだ。稲作の年中行事から発生した祭りのほうが多いかもしれないが、あるところの特殊神事は、歴史と関わる儀式は少なくないようだ。だから、いわき市でも、東日本大震災の悲劇から将来の素晴らしい祭りが生まれるように祈る。できれば、来年いわき市に行って、参列したいと思う。