昨日、衆議院は解散され、総選挙は来月4日に公示され、16日に投開票されることになった。また政権交代になる可能性は高いが、今日考えたいことは憲法との関係だ。
前回の総選挙の後で、最高裁判所が一票の格差が違憲な状態だと判決したが、その時点で2009年の総選挙を無効としなかった。そして、その格差を是正する法案は、昨日の解散の前に立法されたそうだ。より根本的な改革は来年の国会に先送りされたが、危機は片付けられた。
しかし、である。
しかしは、NHKのラジオニュースによると、是正が立法されたが、実行する手続きには少なくとも三ヶ月がかかるそうだ。つまり、来月の総選挙は、違憲状態だと判断された状態のままで実施される見通しだ。確かに、新しい選挙区を4日までに決めることは無理だろう。弁護士がこの件を最高裁判所に訴訟するつもりを公開した。一つの弁護団が選挙前に、選挙準備の停止命令を求める方針で、もう一つは選挙後、無効判決を求める方針だそうだ。これはどうなるだろう。
一つの立場から見たら、最高裁判所が選挙を延期するのは当然だ。選挙は違憲状態だから、そもそも許すわけにはいかない。それに、国会が是正を立法したので、司法として立法の機能を侵す必要はもうない。時間を確保したら、国会の決断の通りに解決する。もちろん、そうすれば、選挙の前に停止するべきだ。しかし、衆議院はもう解散されたので、また集会できるかどうか分からない。前例のない状態になるので、法律や憲法はどう定めるか分からない。集会できなかったら、少なくとも三ヶ月の間国会はないことになる。それから様々な不便が生じる。そして、司法と立法の間の軋轢を招くに違いない。確かに是正はもう決まっているので、ここで最高裁判所が関与しないほうがいいだろうと言える。
選挙を許すのは、民主主義国で選挙は基本であることに尊重する。だから、最高裁判所が選挙を否定するのはおかしい。一方、違憲状態の選挙は、本格的な民主主義の選挙ではない。それは、「違憲状態」の意味だ。
難しい判断だ。最高裁判所の裁判官は、訴訟を起こす弁護士が嫌いになるだろう。ところで、私が選挙を許すかもしれない。是正はできているので、民主主義を滅ぼすつもりは全くないからだ。