森の長城プロジェクト

11月5日付の『神社新報』で『森の長城プロジェクト』が紹介された。その目的を簡単に言えば、瓦礫を使って被災地の海岸部で300キロの長さの森の長城を作成することだ。その長城の幅は、30メートルから100メートルで、瓦礫と土の部分の高さは5メートルで、その上に生やす木々で合計20メートルぐらいになるという。将来の津波に対する防潮堤になって、そして長い森を育成する。

目標自体を評価する。瓦礫の処分は困難だし、これほど長い森があれば、北から南へ動物の通路にもなるし、それに森があると基本的にいいことだ。そして、完成されたら象徴的な実績になる。

問題は、これほど大きな防潮堤が各地域を大きく変貌することだ。地元の住民がこのプロジェクトを応援するかどうか、疑問を抱く。海岸と内陸の間の行き来の邪魔になるのは当然だ。邪魔にならなければ、津波を防ぐ力もないからだ。そして、景色を大きく変える。象徴的な実績として長所だが、地元の方の賛同を得なければ、大きな短所になってしまう。そして、紹介する記事にも、ホームページにも、地元の方の参加も、指導的な役割も書いてないようだ。

地元の賛同があったら、そして各地の事情に合わせて進めたら、いいプロジェクトだと思う。実現してほしい。しかし、それはないかぎり、応援できない。被災地の本当の復興は、地元の方が機動力にならなければならない。私たちよその人は、応援、支援、援助などを提供するに過ぎない。


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