「天皇」の原点

今、今年の六月に受験する神社検定のために予習している。今年、弐級を受験するが、弐級の内容の多くは、神道の歴史になるようだ。公式テキストは先月20日に発売されたので、早速注文して、読み始めた。神道の歴史を時間の流れに沿って紹介するテキストから始めたので、古代史や奈良時代の部分をもう読んだ。興味深い点は多いが、ここで一つ取り上げたい。

「天皇」号は永遠から使われたわけはない。5世紀の雄略天皇は、当時に「わかたける大王」と呼ばれたそうだ。(有名な出土された剣から分かった事実だ。)初めて「天皇」に名乗ったので、6世紀末の推古天皇だったようだし、正式呼称にしたので7世紀末の持統天皇だったという。称号として、かなり長い歴史を持っている。

しかし、推古天皇と持統天皇にはもう一つの共通点がある。二人とも、女性だった。つまり、史上初の「天皇」と呼ばれた人物は、女性だった。そして、「天皇」を日本の長の正式称号にした事物も、女性だった。

それでも、皇室典範の改正に反対する勢力は、天皇を「男系男子」に限るべきと訴える。男系には確かに歴史的な根拠がある。天皇家の男系から発生しない天皇は一人もいなかったし、これを資格の基盤としたのは疑われていないようだ。伝統を守ろうとしたら、男系ではないとだめだ。そして、伝統を守らなければ、天皇制を保持する理由は全くない。

一方、男系女子の天皇は、前例は多い。それに、日本の文化の発展に重要な役割を担った女帝は少なくない。女帝の衰退は、儒教の影響による変化だったろうが、日本の伝統を保持しようとすれば、女性の天皇を受け入れるべきだとも言える。

女性天皇に断固反対する人のうちに、この歴史事実が分からない人もいるだろうが、勢力を率いる人は知らないはずはない。少なくとも、今年の伊勢の神宮の式年遷宮が持統天皇の御代に始められたことはよく神社界で報道されるので、神社関係の人は必ず女性天皇の重要な役割を認めざるを得ない。だから、なぜ男系女子の天皇に反対するか、分からない。単純な男女差別ではないと思いたいけれども。


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