現在の社会で、原則として一人が一つの勤務先で働く。例外は少なくないし、私も例外だが、これは普通の状態だと言える。名刺を数枚持つのはちょっと変だし、用紙には「勤務先」の欄があれば、一つの勤務先があるのは前提だし、税制上でも勤務先は一つであれば手続きが簡単になるが、複数になったら急にややこしくなる。
しかし、勤務先は一つであることは問題だと思える。なぜならば、失業になったら、生活がその瞬間で大混乱に陥るからだ。失業の原因は任意退職にせよ、会社の破綻にせよ、リストラにせよ、首になることにせよ、結果は同じだ。だから、仕事を失わないように人は頑張る。職場でやるべきではないと思うことを見ても、何も言えない。嫌な仕事に強いられても、文句は言えない。会社が危うくなっても、準備等は何もできない。上司と意見が異なっても、はっきり言えない場合は多い。
職場で真剣に活動するために、いつでも退職できる状態は必要だ。職場での問題と取り組んだら、いつも退職に発展する可能性があるので、退職は恐ろしい結末であれば、取り組まない。そして、会社の将来の繁栄のためにリスクをとらない。リスクと言うのは、失敗に終わる可能性は高い行為だから、失業をなるべく避けたい人はリスクをしない。しかし、リスクしないと、会社が繁栄しないことは多い。
もちろん、一つの勤務先で勤める選択肢を否定しない。しかし、普通の状態は複数の勤務先になったらいいのではないかと思う。