昨日、広島高等裁判所の岡山支部で、去年の衆議院選挙は憲法違反で、無効である判決が言い渡された。一昨日、広島高等裁判所で同じような判決があった。広島で執行猶予があったが、岡山ではそれはなかった。他の裁判所で、選挙は違憲だった判断が言い渡されたが、無効にしなかった。
最高裁判所に上がるのは明らかだ。政府があきらめて「じゃぁ、選挙をやり直そう」というはずはない。
しかし、どうなるだろう。岡山支部の判決で、国会は厳しく批判された。前回の選挙も、最高裁判所で違憲状態として判決されたが、それは選挙のほぼ二年前だった。選挙までに改善しなかったことは、国会の怠慢や司法の甚だしい軽視といわれても、異論できないだろう。最高裁判所でまた違憲状態であると判決されるに違いない。前回より一票の格差がさらに深刻になったので、最高裁判所が前回の判決を取り消さない限り、そう判決するほかならない。それに、取り消す理由はない。
今回も違憲状態の判決でとどまれば、司法を無視しても何もないことを表明する。それに、高等裁判所で無効の判決は二つある。だから、最高裁判所が選挙を無効とする可能性は十分あると思わざるを得ない。ある程度の是正が間もなく立案されるようだから、最高裁判所が選挙を無効にしたら、新しい選挙を行うことになる。
一票の格差が2.5倍に迫る状態は確かに民主主義の原則に背くので、裁判所の判決を批判できない。しかし、司法の機関が立法の機関を解散することは、憲法の根源から考えれば、好ましくない。
前の国会の怠慢が本当に深刻な問題を大多数産んでしまったといわざるを得ない。今の国会には解決する能力があると確信できたらよかったが、まだ疑わしい。どうなるのだろう。国の撲滅とつながらないのは確かだから、展開を見るしかない。