公告の戦略

出版業界で働くので、宣伝についての話をよく聞く。平均的な人は、宣伝を七回見れば、やっと覚えると言われる。そして、宣伝はなければ、商品や会社はもうないと思い込んで、買おうとしない。公告の一番の目的は、人の関心を惹くことだろう。公告で買わせるとはあまり思われていないようだ。むしろ、公告で商品の存在を知らせて、そのような物を買おうとすれば、公告された商品が思い浮かぶためだ。(もちろん、買わせようとする公告もあるが、主役は検討に入らせる公告かもしれない。)

この立場から考えれば、有名人の使用は分かり易い。有名人がこの商品を宣伝するように報酬をもらっているからといって、買うわけはないだろう。その人が自分で薦めたら、話は違うが、普通の宣伝ではそういうことはない。有名人が商品を推薦しても、報酬をもらっているのは露呈されているので、信憑性が低くなる。それに、商品に詳しくないことは多い。そう認めれば、有名人を使用する理由は何だろう。

関心を惹くためだ。電車のなかで有名人の顔を見たら、公告をもう一回見る可能性は高くなる。特に、そのときに流行っている有名人で、美人や美男であれば、さらに関心を惹くと思ってもいい。その結果、人が公告を見て、商品の存在が分かる。公告をしばらくの間続けたら、数回見るはずだ。公告を変更させたら、商品名をより確実に覚える。だから、評価のいい有名人であれば、だれでもいい。もちろん、目指している商品のイメージを考えなければならないが、有名人のイメージと合わなければ、その側から断れるだろう。

有名になる方法は何だろう。俳優として活躍するとか、歌手として活躍するとか、タレントとして活躍するなど。

噂によると、有名人の収入の大半は、公告から発生する。出演料はそれほどではないと言われる。(例外はある。有名人が番組などの宣伝にもなる。)つまり、有名人が「本業」で自分を公告して、宣伝に雇われる。企業は、有名人を使用して、商品を売ろうとする。商売の立場から考えれば、公告の役割を担う存在は意外と多い。このブログも例外ではない。(うまく担わないけれども。)


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