先週、自民党の参議院の委員会の会長が解任された。その理由は、国会の許可を得ずに中国での滞在を延長したと言われる。ただし、中国での娯楽の旅行ではなく、中国政府の要人と話すための訪問だったし、中国側が日程を変えたそうだ。そして、最初の日程は、一泊の訪問だったようだ。つまり、中国側から変更があって、国会に許可を求める余裕もなかったようだ。中国を去ったら、日中関係がさらに冷え込んだのだろう。他方、国会の規則に違反する行為で、環境委員会の開催を余儀なく中止することになったので、問題を起こしたことは否めない。
そうは言っても、解任決議を可決するのは、大げさな反応だと思わざるを得ない。衆議院選挙前に当時の野党が問責決議案を提出することも、同じような場合は多かった。
ある意味で、これは民主主義の弊害なのではないかと思う。民主主義で、与野党が政権を狙って競う。与野党の本格的な選択しはなかったら、本当の民主主義ではない。しかし、競ったら、相手を倒すため、適切な手段をいつも探さなければならない。国益を守ることはもちろん本務だが、日常的な活動は、相手の政党を襲うことだから、相手に被害を与える手段を見つけたら、論理的にかつ客観的に妥当であるかどうかは、考えるわけにはいかない。相手はそれほど甘くないからだ。このような競争に巻き込まれると、客観的に見たら無意味な行動は少なくない。政治家がいつも冷静に国益や世界の利益を考えながら問題と取り組んだらもちろん素晴らしいが、政治家は人間だし、人間はいつもそうするはずはない。人によって頻度が違うので、いい政治家も悪い政治家もいるのは当然だが、理想的な政治家は現実の世界に存在しないだろう。
だから、政治家の活動にはこのようなことが存在するのは避けられないだろう。なるべく少なくなってほしいけれども。