都議会選挙

先日、都議会選挙があった。結果は、自民党と公明党の圧勝だったのは周知の通りだ。アベノミックスには効果がありそうで、更なる効果が期待される証拠として解釈されるが、私もそう思う。

他の政党の結果を見れば、何が言えるのかな。民主党は大敗だった。第一党から第四党に退いた。つまり、民主党は都民の信頼をもう得ていないことは明らかだ。民主党政権の自責を顧みれば、驚くほどではない。その直前の自民党政権よりひどかったとははっきり言えなくても、ましだったさえはっきり言えない。都民も国民もがっかりしたようだし、その理由は分かり難くない。民主党は一概に悪いとは言えないし、東日本大震災への対応は悪くなかったという評価も国際機関からあるが、大きな成果はないし、党内の紛争は著しかったし、党の行方は極めて不明だ。むしろ、第四党の座を獲得したのは驚くべきだろう。

そして、共産党の躍進だ。第三等になって、17議席で議案提供権を獲得して、11議席の目標を大きく上回った。党の解釈は「ぶれない政党への理解」だそうだ、それはそうだろう。民主党にも自民党にも不満を抱いたら、共産党が信頼できる受け皿になる。共産党のぶれない政策が急に人気になったとは思えないとしたら、「今と違う政治が欲しい」気持ちの強さを反映するだろう。実は、みんなの党の7議席の良好な結果も同じ傾向を表すだろう。自民党と民主党とはっきり異なる政党だが、共産党の政策に賛同出来ない人がみんなの党に回っただろう。共産党とみんなの党の結果を比べたら、経済的な改革をどちらかと言うと擁立する派は、多く国政の与党を指示すると言えるだろう。

それに、日本維新の会の敗北も重要な示唆になるだろう。橋下共同代表の発言が大きな原因となったに違いない。つまり、日本の戦犯を否定する政治家には、大きな支持層はないようだ。密かにそう思う人はいるとしても、そのように投票しないようだ。ここも、日本は戦争でそれほど悪くなかったと思う人の多くは、自民党に投票するのではないか。自民党は、戦争で日本は悪役だったと言いたくないが、周りの国に問題にならないように工夫するので、そのように考える人の投票を得るのではないか。

分析すれば、民主党は今危機中。大きな刷新を完遂しないと、政党として死ぬだろう。他方、自民党はまた盛期に入っているようだ。経済が悪化すれば変わるだろうが、都民の多くの希望に十分答えているようだ。自民党に対立するために、何が良かろうかと聞いたら、共産党のように格差社会に反対したり、弱者の救済をアピールする方が有利のように見える。国家主義で、自民党より激しくすれば支持層はなさそうだし、経済改革を自民党の予定より激しいものが欲しい都民は少ないようだ。共産党はいつも極端な印象を持っているので、同じような政策をより和やかにアピールする政党なら、より多い議席はとれたのではないか。しかし、自民党の結果を見たら、自民党に反対する勢力は今基盤を固めるべきだろう。しばらくの間、勝ち目はなさそう。


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