最近、生徒さんや友達と話すとよく浮かんでくる話題がある。それは、人生が変わっても、問題がいつも付いてくることだ。ただし、問題が変わる。
そして、体験していない問題を評価するのは大変難しい。全ての問題は同じであるはずはないが、何が深刻であるか、何が軽いかは、判断がつかない問題であろう。飢え死ににかける状態は確かに大変だが、重複借金に追われる状態より苦しく感じるかどうかは明らかではない。人間の心理は不思議な仕組みで、客観的に見える深刻さに応じるとは限らない。
だから、人生の問題を大別にしたら、二つの種類がある。一つは、生活の中の問題だ。このような問題は、生活を変えずに解決できるので、解決して問題が少ない生活を送るべきだ。
もう一つは、生活に付着する問題だ。このような問題は、生活が大きく変わらない限り解決されない。しかし、生活を大きく変えれば、新しい問題が発生するに違いない。つまり、解決で人生が改善するかどうか、事前に知り得ない。
私は、イギリスでの生活に付着した問題を解決するために日本に来たが、それは大成功だった。もちろん、新しい問題が発生した。言語の問題とか、外人である問題とか、仕事の問題など。しかし、全面的に評価すれば、イギリスでの生活より大幅に改善された。だから、知らないからといって何もしない方が良いとは言わない。ただし、決断をより難しくする現実だ。