今夏は暑いよね。
誰と話しても、同じ話題が浮上する。そして、「子供の頃、こうではなかったよ」とよく言われる。冬の厳しい寒さがなくなったと言ったり、今年のような暑い夏はなかったと言ったりする。確かに、130余年の統計上、今夏は記録的であるそうだから、今夏より暑い夏を覚える人はいないのは当然だろう。そして、「地球温暖化でどうなるかな」と言う人も少なくない。それも当然だろう。
ただし、今年の夏の暑さと地球温暖化の間には、直接的な因果関係はないと思われる。まずは、今夏は昔の夏より5度程度暑いそうだ。30度は珍しかったが、今30度は普通で、35度も珍しくなくなった。地球の平均温度が温暖化のため5度上がったわけはない。0.5度のほうが近い。平均温度が上がれば、このような猛暑の夏がより頻繁に起こるのは予想されているが、原因は様々であるし、ややこしくて見通しが立たない状態のままだ。だから、温暖化がこの夏に影響を与えた可能性は高いと認めるべきだとしても、他の原因のほうが重要だったと言える。
その結果、来年は同じぐらいあついかどうか、言えない。来年は冷夏になる可能性もある。冷夏の頻度が下がるが、まだまだ可能な気象だ。天気と気候は別物で、今夏の猛暑は天気だ。
それでも、温暖化がこのまま進んだら、今夏の温度が平均的になるし、日本の山林が枯れてしまうかと思われる。今の本当の安全保障は、温暖化対策だ。政府も官僚も社会も、より積極的に動いてほしい。