神社の災害対策

8月12日付けの『神社新報』の記事によると、富山県神社庁が災害対策を実施しているそうだ。具体的に、五つの「災害時拠点神社」を指定して、物資を備蓄している。その上、災害時の対応の計画も用意している。被災地に近い「災害時拠点神社」を「特別拠点神社」に指定、更なる支援を搬送したり、支援活動を行ったりする。そして、他の神社を避難所としても使う予定だが、拠点神社から支援が送られる計画だそうだ。

この活動を高く評価して、全国の神社庁に見習ってほしい。もちろん、国家が用意する避難所や物資の網は必要不可欠だが、東日本大震災の時に明らかになったのは、それだけで足りない事実だった。だから、このような民間の支援が用意されると良い。

大規模な災害で、対策が計画通りに発展するはずはない。搬送ルートとして指定された道路が塞がれるとか、避難所が災害に直撃され使えなくなるとか、対応を指導する人が被災されるなどの問題が必ず発生する。ただし、どこで発生する分からない。だからこそ、複数の対応組織があると良い。拠点が異なるし、中心的な人物も異なるので、ある組織が昨日できなくなっても、別な組織が動く。そして、数日間が経ったら、被災された組織も計画を修正してまた活動する。

それに、神社に相応しい役割だと思う。神社は、共同体の拠り所であるべきと唱われるので、これはその具体化の一つだ。避難所を神社に限るわけにはいかないが、神社もその役割を担うのが良い。神社は、宗教を問わずに受け入れるが、宗教を理由に神社を拒否する人もいつので、学校などでの世俗の避難所も必要だ。ただし、神社に抵抗感はない人は神社で助けてもらったら、避難所全般には余裕を与える。そして、災害前から神社と絆を感じる人が神社へ避難すると、精神的な強みにもなるだろう。慣れた環境で悲劇と向き合ったら、立ち直る力がより早く沸いてくるのではないか。

このような活動や計画が全国の神社庁に広がるのを期待している。


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