『27』

昨日、本人の27歳のお誕生日北川景子さんが『27』という写真集を発売した。

このブログで、この前にも触れたかもしれない。

先に言っておくが、満足している。ただし、ファンである方の大半はもう手にしたかと思うし、ファンではない方は買わないだろうとも思うので、誰がこの投稿を読んで、買うかどうか決めるかは分からない。だから、書評より、私の感想を書く。書評として、ファンであれば喜ぶということで済ませさせていただく。インタビューのみで、写真集の出費を惜しまない。そして、写真のみで出費も惜しまない。だから、二冊を買っても、惜しまない。二冊分の出費に十二分相当する内容があるからだ。

写真集だから、本の内容の大半は北川さんの写真であるのは当然。しかし、1万字のロングインタビューと言われる文章も載っている。「インタビュー」のイメージは、質問に答える形だが、このインタビューで北川さんをデビュー10周年と関連するテーマについて話させて、書き下ろした形式だ。ページの割合として1万字でもわずかだが、私の感想の半分以上を占めるだろうと思う。

それでも、写真から始めよう。北川さんが奇麗に写られるのは当然だが、この写真は、インタビューによると、本人が自分を表現するために計画した形だそうだ。パリロケがちょっと映画っぽくなったそうだから、東京で補足の写真も撮ってもらったという。(写真について書くと言っても、インタビューが入ってしまうね。)

最初の方は、今までのブログなどから受け取って北川さんのイメージにそっくり。ジーンズ姿は多いし、アイスや果物と遊ぶ姿も、裸足でセンヌ川沿いを歩くカットも、リラックスした笑顔や顔ごくずれる笑いも。この写真が最初に載っているのは分かり易い。「この私、もう分かったよね」というような配置だろう。(ブログによると、北川さんが写真選択にも本の編集にも携わったそうなので、影響があった。)

でも、それに加えて、よく言われるそうである「クールビューティー」のイメージを表現する写真もある。インタビューで「ほんとに熱い女なんでうしょね」と言ったのに、そのイメージも自分の側面として発信。(インタビューで「(笑)」も加えた理由はここにあるかな。)そして、北川さんといえば、ちょっと男っぽいスタイルは多いけれども、フェミニンな印象を極まる写真も載っている。いい意味で無邪気な公園での写真で、暗い思いなしに遊んでいる印象だ。

一番驚かせる写真は、インタビューにも触れる。「少し大人っぽ表情もあります」というが、色気のある写真もある。ヌードは愚か、水着姿もないが、それは当然。北川さんらしく上品な色気だ。通常版の表紙にも使われているし、枚数はわずかではないので、北川さんはこの側面をちょっと強調したかったように思わせられる。確かに、本人が言う通り、今までの役柄で見たことのない側面だ。これを詳しく分析したら、ゆり子に叱られるので、このところもうまくできたと言ってとどまる。

写真の構造を私なりに分析すれば、下記の通りだろう。

典型的北川さん ー クールビューティー ー 無邪気 ー 色気 ー クールビューティー ー 色気 ー フェミニン ー メイキング ー インタビュー ー 色気

メイキングで、他のカテゴリーのオフショットで典型的な北川さんが見えることは多いので、それは一番リラックスする姿なのではないかと思う。この構造を考えれば、写真の言いたいことは次の通りだろう。「確かに今までのイメージは私の本当の一部なのだが、この他の意外と思う側面もあるよ。まだ見せる機会はなかっただけだ。」確かに、本人がそういう風に書いたこともあるので、私の推理力の凄さを自慢しないが、写真集の構造をよく考えたなとの印象。

それも、北川さんらしい写真集の必須な要素。

インタビューで共感できる点は多い。偶然なことから(私も、小児喘息だった)、意味のある共通点まで。「意味のある」というのは、私が北川さんのファンになって、そしてファンとして続いてきた理由になる共通点を指す。このインタビューで初めて公開した情報もあるかと思うが、少なくとも私がまだ知っていなかったことはった。そして、様々な作文について北川さんの感想も、森田監督への敬意や感謝もよく描かれる。このところについて、本を読んでほしい。他の点について、ちょっとピックアップして、感想や意見を述べたいと思う。

デビュー当時に着いて、よく叱られたそうだし、なく人もいたそうだ。これで、現場の人の方針に納得できない。確かに最初は北川さんは下手だった。初めて何かすれば下手であるのは当然。そして、悪いけど、セーラームーンから演技はまだまだだったことが分かる。しかし、演技の初挑戦としていいと思うし、潜在能力も見える。この状況であれば、監督や指導者は叱るではなく、起こらずに具体的な指導を与えるべきだと思う。土素人が土素人のように振る舞うのは、素人のせいではない。それが問題を起こせば、素人を起用した人のせいだ。(だからこそ監督が怒った可能性もなくはないけれどね。)北川さんには辛い思いはさせられたようだが、教育では、特訓でも、辛い思いをさせずに行うべきだと思う。確かに今から見れば、北川さんの能力を引き出したので結果的には良かったが、より優しい方法で同じ結果は可能だと確信する。

そして、北川さんは、自分の上手く行かない点を攻めて、「より良くできたはずなのに」と自己批判することは多いという。精神は尊敬するが、方法をちょっと納得しない。出来上がった作品は、その時間なりにできたと思った方が良いと思う。特に北川さんのようにいつも真面目に一生懸命働く方であれば、そのときよりよくできたはずはない。ただし、この経験を踏まえて、次の作品をよりよくできると思うべきだ。過去の作品は、当時の自分の記録として思って、いつも次の作品をさらに一段上に上げることを考えたほうがよい。それは成長だ。今も同じ精神であれば、自分を攻めずに失敗を成長の材料にしてほしい。

しかし、インタビューには私にとって反省点になることがある。北川さんによると、ファンレターが支えになったそうだ。私は、昔はファンレターを送ったが、止めた。なぜなら、北川さんの迷惑にならないように遠慮したからだ。確かに私へのファンレターが迷惑にならないが、それは一年間に一通ていどであるからだ。毎日数十通、いや、数百通が届く北川さんは違うかと思った。しかし、そうではないそうだ。ちゃんと目を通してくれて、なるべく返事するように努力したそうだ。返事するには無理があるのは明らかだが、やはりファンレターを送り続けたらいいなと思ってきた。ファンレターで、やはり自分の作品には少なくともこの人には価値があると実感するので、大きな励ましになる。またファンレターを送るべきかな。

実は、ファンレターのことはインタビューで印象になったことの一つの証拠だった。それは、北川さんには、他の人の評価によって自分を評価する傾向は強いようだ。モデルとしてスカウトされたので、モデルと向いていると思い込んだそうだ。「人に役に立ちたい」という思いは強いという。ファンレターが大きな支えになったとも。これは真面目の一部。自分の甘い評価に満足せず、他の人も評価するかどうか確認するのはいいことだ。特に作品を世に出す人間であれば、自分の意見だけではなく、周りの人の意見も必要だ。配慮して、皆の意見を受けて修正したら鍛えたりするしかない。他方、自分が尽力した作品が酷評にあっても、自分の努力を忘れずに、そして自分の狙いも忘れずに、自分の作品を認めるべきだと思う。ただし、「二度とそうしない」と決意してもいい。失敗することも、成長に必要だが、周りの人は狙いや努力を認めなくても、存在しなかったというわけはに。失敗だったことのみ認めてもよいが、時間の無駄ではなかったし、自分の価値は失敗の結果によって測っていない。

そういえば、インタビューで北川さんが舞台やミュージカルや歌と挑戦したいと述べる。セーラーマーズ時代の『桜・吹雪』から判断すると、歌うための基礎能力を備えていると言えるので、特訓を受けて頑張ったら、ミュージカルは無理ではない。(宝塚の影響かと思わざるを得ないけれどね。)このように新しいことと挑戦してほしいので、これからの英華咲きを楽しみにしている。舞台を踏めば、もちろん見に行くつもりだ。歌を発売させれば、買って聞く。(今でも、『桜・吹雪』をたまに聞くし。)しかし、勝手に言うけれども、歌だけではなく、随筆との再挑戦も見たいのだ。前回の随筆の経験で「向いていない」の自己評価があったが、ベストエッセイに入るほどの評価を得た作品だった。そして、インタビューを読めば、やはり紙幅の半分は北川さんの文章で、半分は写真である本は最高だなと思った。

デビューの20周年の時に触れれば、ちょっと下降気味な時期の可能性を指摘する。確かに芸能界はそういう業界だ。そのときでも、ファンとして応援するつもりだから、少なくともブログを続けてほしい。ブログを読むと、どうやって応援すればよいか分かるからだ。実は、この下降気味な時期で芸能人がファンの重要性を痛感することは多いのではないかと思うが、北川さんは真逆だそうだ。三年前の最盛期に入った途端、ファンとの隔たりを感じて、より直接にコミュニケーションを取るようにしたという。だから写真集。たから握手会。だからFacebook。これは素晴らしいと思う。ファンを大切にしなくてもいいついて行ってもらえる時期にこそファンを大切にしようとすれば、心を温めてもらったファンは、忠誠を感じるようになると思う。少なくとも、私はそうだが。

立ち止まらずにいつも上へ上へ進もうとする北川さんの姿は尊敬する。北川さんの心底から湧き溢れる情熱が原動力であれば、心配しない。北川さんは、楽しくて一度も辞めたいと思ったことのない道を自発的に歩む限り、その歩みはファンの私には楽しみや宝を与える。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: