本当の国際化

日本で「国際化」が唱われるのはもはや久しい。私は当然国際化を応援するが、本当の国際化を目指すべきだと思う。

本当の国際化というのは、英語をどこでも使うことではない。そして、制度や文化をアメリカの基準に当てはめることでもない。

本当の国際化の重要な一部は、日本の独特な文化を保つことだ。

説明しよう。国際交流の一つの側面は普通の人間交流だ。他の人と接して、話したり、恊働したりすることだ。これはもちろん良いことだ。日本人同士では良いことだから、相手には外国人が含まれるからと言って悪くなるはずはない。ただし、これだけであれば、国際交流には特別なメリットはない。外国人がいてもかまわないが、わざと入れようとする理由はない。

幸い、もう一つの側面は国際交流にある。海外から来た人は、別な習慣や世界観を持つ。このような人と話したり恊働したりすれば、重要な刺激になる。問題を全く別な方向から見させてもらって、急に難問の解決策を見いだすこともある。そして、新しいアイデアも文化の間でよく生まれる。これは、私の体験にも、歴史にも検証される。

このような刺激を得るために、異なる世界観の人は必要だ。外国人はこのような人の一種だ。世界観が異なる日本人もいるが、様々な世界観と接したら良いので、日本の多様性が進んでも、国際交流は望ましい。

ただし、世界の文化が統一してしまえば、この利益を失う。どこの国の人でも、同じ世界観を持つからだ。日本で、外国の文化を保つことはできないが、日本の文化を保つことはできる。この意味で、文化にはもちろん伝統文化が含まれるし、重要な位置を有する。ただし、それだけではない。些細なことから流行ることまでそうだ。例えば、日本の作業服がアメリカやイギリスと違うが、その違いを保つと良い。同じように、日本の歌手はイギリスやアメリカと異なるので、それも保てば良い。

では、日本の文化を保つのは国際化の一部であるとして、全部ではないのは明らかだ。まだ国際の何かは入っていないからだ。

国際化は、外国の文化と交流し易い環境だろう。外国語ができるのは重要だが、外国人と接する機会も大事だ。だから、移民の受け入れる方針を考えなければならない。外国人が気軽に日本に来て交流でいるのは良いが、同じように日本人が気軽に外国に行って交流することも良い。これは出入国管理の問題だけではない。文化が異なれば、外国人には入りにくい。前述の通り、文化を統一してはいけないので、溶け込む方法を考えた方が良い。つまり、外国人の日本社会への入り口を考えなければならない。これは、苦労が必要とすることだが、国際化は簡単な作業ではない。この入り口には、外国語の説明などがあるが、日本語学習も重要だ。大学を考えれば、入学季節を秋にするではなく、秋から春まで外国人の留学生の行動を考えるべきだろう。

要するに、独特な日本を保ちながら、外国人が中に入れる道や日本人が外に出れる道を整備するのは、本当の国際化だと思う。


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