白人の更衣室

殆どの温水プールやジムで男女別の更衣室がある。(男女混沌の更衣室を持つ混浴温泉もあるが、混浴温泉にも更衣室は別である場合もある。バスタオル巻きを禁じる素っ裸で入らなければならない混浴温泉にも男女別の更衣室がある場合もあるが、それは正直に言えばちょっと不思議。)当然だろう。

人種別の更衣室を持つ施設はない。日本にはないし、欧米にもない。あったら、「人種差別」のレッテルが付けられるだろう。

でも、根本的な相違点はあるのだろうか。

人種を分ける理由は、別な人種の裸を見るのは嫌で、見られるのも嫌だからだ。外人は危ないとの噂もあるだろうが、偏見に過ぎない。殆どの外人は日本人と同じ程度合法で親切だ。だから、この嫌な気持ちは、社会が認めない。

では、男女別の理由は何だろう。主に、女性は男性に裸で見られるのは嫌だということだ。男性の大半は平気。例として先日のテレビ番組を挙げよう。大学の男子寮で浴室で湯船の端を裸で一周する習慣があったそうだが、テレビでこれを見せた。もちろん、男根が見えないようにモザイクをしたが、お尻は丸見えだった。習慣は女子寮にあったら、番組はあり得ない。女性はなんで嫌がるのか。男性に襲われると恐れるだろうが、それも偏見だ。殆どの男性は、女性を襲わない。考えもしない。ただの根拠のない嫌な気持ちだ。

そうであれば、男女別の更衣室は男女差別の現象だと言わざるを得ない。認めるべきではないか。

私は、認めるべきだと思う。しかし、人種別の更衣室も認めるべきだとも思う。理由は同じだ。人間の不合理な気持ちは、原則として認めるべきだ。更衣室を別々にするのは、大きな問題を課さない。ある人種や性別に劣等な施設が設けられることを恐れたら、交代制を義務づけても良い。男女別の温泉ではそのような制度はよく見られる。認めるべきであると思うが、促進するべきではない。義務づけてはいけない。不合理的な気持ちを持たない方が良いので、否定的な立場を取るべきだ。他方、不合理的な気持ちを完全に払拭することはできないので、認めるべきだ。不要に人に嫌の思いをさせてはいけない。

確かに、この問題がややこしくなる。ある更衣室から排除されていることを嫌に思う男性(もしくは外人)もいるだろう。この問題の完璧な解決策はないと思うが、なるべく軽くするために、平等に施設を配置するべきだ。「平等」というのは、女性のみの更衣室があれば、男性のみの更衣室も男女混沌の更衣室も設けるべきだ。男性のみの更衣室があれば、女性に見られたくない男性がそこに入れる。混沌の更衣室があれば、気にしない男性がそこに入れる。女性が殆ど入らないかもしれない、男性にとってそれは女性の個人的な偏見であり、施設の偏見ではないと受け止めるので、傷がちょっと軽くなる。

それでも、素っ裸で入らなければならない混浴湯船には、別々の更衣室を設けなくても良いだろう。


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