最近、日本と中国の間の政治的な緊張が高まりつつある。この真っ只中、ゆり子のクリスマスプレゼントを注文して、中国から発送してもらった。領土問題などで問題があっても、経済的なつながりが強まる一方だ。それは良いことだと思う。なぜなら、最悪な結末は戦争であるが、経済的な絡みが強ければ強いほど、戦争の確率が低くなるからだ。中国の政府関係者の中に、日本との戦争で大きな経済的な打撃を受ける人は多いので、戦争に反対する勢力はそもそも強い。日本側で戦争を目指す勢力は依然として弱いし、経済面を優先する人は過半数を占めるだろう。だから、今の緊張感は良くないと思っても、戦争が勃発する確率は低いと言える。
しかし、この経済的な絡みを慎重に思う人もいる。一つの理由は、中国の国内総生産が上がって、日本の数値を超えたので、日本は負けつつあると感じるからだ。ただし、この考え方は大間違いと私は思う。むしろ、日本の国益を確保するために、中国の国内総生産をさらに高まってもらった方が良い。理由は三つある。
先ず、人口の差を忘れてはならない。中国の人口は日本の十倍なので、中国の国内総生産が日本の5倍になっても、平均的な中国人の豊かさはまだまだ平均的な日本人の半分にとどまる。倍率が20倍になったら、日本の経済的な政策を見直すべきだろうが、それは遠い将来のことだし、その場合でも中国の豊かさは直接に日本に打撃を与えない。
そして、日本の輸出業を思い出そう。実は、経済の占める割合はそれほど高くないそうだが、それでも日本の経済の重要な一部であるとは否めない。中国の総生産が上がれば、日本製の商品を買う力も高まる。もちろん、日本の商品を買う保障はないが、お金はないと買わないのは確実だ。中国の経済成長で日本の商品の潜在的な市場が広がるのは事実だから、その市場に出て日本の利益を増すことは、民間企業の責任だろう。つまり、中国の成長の一部は日本に取り込まれる。(同じく、日本の商品を買えば、日本の成長の利益の一部は中国によって取り込まれる。この関係は競争ではなく、協力だ。)
最後に、雇用状況を考えるべきだ。今、生産業の工場が日本から流れ出ている。中国などでの人件費は少ないので、生産コストを抑えることはできるからだ。ただし、中国の総生産が上がれば、賃金も当然上がる。それが数年間続いたら、日本で生産業を行ったほうが効率的になるので、生産業が日本に復帰すると思える。
だから、中国の国内総生産が上がれば、日本の国益も増す。友好な関係を築いて、なるべく取り込んだ方が良いのではないだろうか。そして、中国に限るわけはない。東南アジアやアフリカの成長している国も同じような例だ。ただし、人口は日本の人口を下回る場合、国内総生産を比較して神経質になる人はいないだろう。そのような競争したければ、一人当たりの総生産を比較すれば良い。それでも、日本が圧勝すれば、かえって国益を損なう状態である。