遊動生活を営めば、住居は顕著な問題だろう。普通のマンションは動かないし、ホテルは高い。しかし、遊動生活であるとしても、寝る場所は必要。この問題をどう解決すれば良いのか。
原則として、これは本人が解決するべき問題だ。定着生活もそうだ。原則として、人が自分の住居を用意する。これは問題ではないと思う。むしろ、行政が住居に大きく関与したら、それが自由の制限と簡単に繋がるので、深刻な問題になりかねない。緊急事態や貧困の場合、行政が住居を提供するべきだろうが、その対象者の希望に完璧に応じる義務はない。できれば、対象者の希望を叶えた方が良いが、行政にはそれほど多種多様な施設を用意することはできない。つまり、自分の経済力で遊動生活を行えなければ、行政の援助を求める資格はない。
それでも、お金持ちにしかできない生活であれば、それは本当の自由ではない。だから、ホテルに住めば良いとは言えない。一方、民間企業に他人の生活を支えるように資金を使わせる権利に厳しい制限があるべき。ホテルの業界は今も厳しいそうだから、宿泊費を削減させるのは良くないだろう。遊動生活がはやれば、低宿泊費の寮のような施設が現れるかもしれないが、定着せずに生きたい人はそれほど多くないだろう。だから、普通の人は住居を持って遊動するだろう。
その可能性の一つはテントを背負って歩くこと。その場合、公衆トイレに加えて、公衆なお風呂も必要となる。幸い、日本で銭湯が存在する。少なくなりつつあるものの、まだ絶滅していない。このような施設を保護すれば、遊動生活がよりできるようになるので、自由を保護するために銭湯を援助するべきだろう。(自由を保障するための必要な行動は本当に驚くほど幅広い。行政が自由の保障にしか努めなくても、やるべきことは充分。)もちろん、銭湯には遊動生活を送る人を受け入れる義務をつけなければならないが、遊動生活に対する偏見はないような環境を整えようとしているので、それは大きな問題ではない。
そして、テントを置く場所も必要だ。これは、行政が提供するだろう。ただの広場だから、管理はそれほど必要ではない。ゴミ置き場と公衆トイレを備えたら、出来上がり。(遊動生活を送る人も地方税を納めている前提だから、行政サービスを受ける権利がある。)もちろん、このような施設は都市部には田舎より多いと思えるが、定着生活も同じだ。それは避けられない問題。
テントだけではなく、キャンピングカーを使う人もいるだろう。実は、そのような人の方が多いと思える。生活がより快適になるからだ。そして、遊動生活で雇用できれば、買うための経済力がある可能性も高くなる。キャンピングカーの場合、停車する場所は重要だ。これも、行政が提供することは可能。それに、駐車場を持っている施設に、夜間に無料提供することも可能である。実は、アメリカのワールマートがそうするそうだ。無料ではなくても、安い料金で施設が営業していない間に提供することは可能だろう。もちろん、昼間に別なところへ移動しなければならないので、不便な場合もあるが、それでも助けになるのではないかと思える。
このような施設は、日本を探検して旅したくなる定着生活をする人にも役立つのは明らかだろう。東海道を日本橋から京都まで歩きたい人は、簡単にできるような環境を作り上げる。良い副作用を忘れては行けない。