伝統保護法人

法律で伝統を保護したければ、どうすれば良いだろう。自由を縛らないように考慮しなければならないので何の伝統でも役に立つ政策は必要だ。その一つとして浮上するのは、伝統保護法人である。

伝統保護法人というのは、ある伝統を実現して、後継者を養成して、将来へ継承させる法人だ。法人は、ある目的のために財産を所有したり、契約を結んだりする存在だから、よく使われている。今でも財団法人や一般社団法人、宗教法人などが伝統を守る。法人はないと、個人の人間の間に財産などを譲渡しなければならないので、税金がかかるし、手続きもややこしくなる。伝統保護法人があれば、伝統を守護することだけで法人を発足することはできるので、役に立つ。

しかし、その上の支援は可能。一番簡単なのは、伝統保護法人の財産を免税にすることだ。収入も固定資産も非課税にすれば、伝統を守ることがより簡単になる。例えば、固定資産税の対象外であれば、伝統が経営難に陥っても必要な施設が税金滞納の理由で政府に没収されない。より支援したかったら、伝統保護法人に寄付されたお金は寄付金控除の対象とすることもできる。

もちろん、伝統の保護活動を定義しなければならない。必要な道具を調達して、保持して、修理することはもちろん範囲内。伝統の後継者の育成も、継承する人の雇用も範囲内。伝統の公告も妥当だし、普及の努めも認めても良い。それ以外の活動も許すべきだが、免税などの優遇を認めない方が良い。つまり、伝統の存続を保障するために伝統保護法人に賃貸マンションの寄付があるとしよう。この寄付は、伝統を保護するの財産だから、寄付自体は非課税だろう。ただし、マンションの経営は、伝統の保護ではない。だから、家賃の収入の一部は課税されるし、マンションの固定資産税も納めなければならない。もちろん、伝統保護の当てられる収入は免税だが、マンションの管理などに使われる収入はそうではない。このような区別がちょっとややこしくなりがちだが、現行の宗教法人制で同じことがある。

宗教法人と言えば、伝統保護法人の導入と同時に廃止できるかと思う。宗教法人には根本的な問題がある。それは、宗教の定義だ。宗教の自由を保障する憲法のもとで、政府が「これは宗教だ、これは宗教ではない」と判断するわけにはいかない。ただし、宗教法人が存在すれば、そうしなければならない。この矛盾を払拭するべきだ。伝統保護法人があれば、多くの宗教法人がそれに切り替えることはできる。多くの宗教には伝統があるからだ。例外はあるが、その例外は暫くの間別な法人として続いたら、伝統を作り上げるので伝統保護法人に切り替えられるようになる。

ここで大変重要な点は、「伝統」の定義だ。それは繊細な問題だから、明日の投稿で取り上げたいと思う。


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