日本緊急救出庁

私の新しい作品が公開された。(電子版なので、リンクを確認できたら、貼る。)この作品で珍しく印税を得るので、興味があればぜひ買って下さい。確かに英語だし、GURPSという旅想のための本だから、興味を持つ人は少ないだろう。

この作品のタイトルは『Wings of the Rising Sun』、つまり『旭の翼』になっている。GURPSのSFの背景の『Transhuman Space』のためなので、2100年を背景とする。その2100年の日本で、「日本緊急救出庁」があると想定して、その庁で働く人を演じる旅想を提供する。緊急救出庁の役割は、想像できるように、災難から人を救出することだ。救出隊員の内には人間はもちろん、ロボットも人工生物も含まれている。そして、世界のどこでも早急に対応できるように、救出隊が地球を回る軌道から地上に急激に降りる設定だ。

もちろん、フィクションだ。現実を見れば、宇宙に救出隊を待機させることは効率的ではない可能性は高い。旅想を柔軟に指せるために、そして楽しいイメージを湧かせるために、この問題を見逃した。旅想で、地球のどこでも活躍できる設定は一番楽しいし、このTranshuman Spaceでは宇宙で活動する人はもう多いので、設定に沿う。だから、この側面の実現を期待していない。

しかし、実現したら良い側面がある。作品で、緊急救出庁が21世紀前半に防衛省から独立すると描く。(総理大臣の直轄に入っている。)この変化は望ましいと思う。

自衛隊の軍事的な側面の主な役割は、人と戦うことだ。防衛に専念すると良いが、それでも侵略を防ぐために武装する人と向き合って戦う。一方、緊急救出の活動には武器も戦いも必要ではない。というより、大きな妨げになる。

訓練もそうだ。離島の侵略を逆襲する訓練は、首都圏直下型地震の救出訓練と共通点はほとんどない。だから、今の自衛隊の状況で、訓練の半分しか活かせないようだ。専念して救出の訓練を行う救出隊のほうが効果的になるのではないかと思わざるを得ない。設備も、救出に向けて設計図から開発したら救出により役に立つ。例えば、救出する飛行機には攻撃を避ける必要はないので、そのような装置に力を入れなくても良い。一方、がれきが多いところで離着陸する機能は大変重要だ。

だから、緊急救出庁を自衛隊から独立させた方が良いと思う。予算も分ける。自衛隊の予算は名目で激減するが、それは人手や機能の一部が移されたからで、本当の予算削減にはならない。

独立した緊急救出庁の救出隊は、軍事的な側面はないので、外国でも歓迎されると思える。自衛隊でも歓迎される場合は多いので、緊急救出庁はさらに受け入れ易いのではないか。そうであれば、外国でも救出する機会が増える。これは人道的には良いが、国益の理由もある。現場での経験は、訓練より遥かに役立つ。災難で想定外の事実は多いので、経験が豊富な隊員がより適切に対応できる。つまり、日本で災難が起きたら、救命にさらに活躍できるようになる。もちろん、外国でもこの経験は活かされるので、犠牲者が減る一方なはずだ。

『Wings of the Rising Sun』で書いてある通り、私の理想は緊急救出庁の予算が防衛省の予算をわずかでも上回る状態だ。優先順位として、人を救うことを人を殺すことより先に置くべきであるからだ。このような象徴的な行為が日本のソフトパワーに大きく貢献するとも思う。

今のところフィクションだが、ぜひ『Wings of the Rising Sun』をよろしくお願いします。


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