昨日、川崎市外国人市民代表者会議が開催された。来月の会議は第9期の代表者の最後の会議だから、提言案の調整に入った。事務局によって提言案を用意してもらったが、その作成の経過で発見された問題もあったので、会議の審議は思ったより本格的だった。この時点で、理想は文言の調整になるが、提言の基本方針の再確認など審議することになった。
社会生活部会で二つの提言案を審議した。一つは、国への働きかけと提言する案だ。テーマは親の呼び寄せだ。簡単に言えば、親と一緒に暮らせるような制度が欲しいということだ。現行の制度で、帰化しても親を呼び寄せることはできない。事務局のご意見は、内容はちょっと理想主義的で、より段階的な形の法が良いのではないかということだった。ただし、審議したあげく、すぐに実現してもらわないことはよく分かるが、外国人市民の問題や立場を伝えるのは私たちの役割だから、理想のままで提言することにした。
二つ目は、区役所の窓口対応とローマ字や英語で発行された証明書についてだ。在留管理制度が変わる前に、外国人登録窓口があったので、外国人市民にとって総合窓口になっていた。しかし、法律の改善の副作用として、その窓口がなくなった。だから、復活を願いたかったのだ。
ただし、事務局の調べによると、外国人の対応に特に経験がある職員が就いたわけではないそうだ。だから、復活より、役所内の窓口の一つには特別に外国人対応の責任を置くように求めることにした。全体的に外国人に応じられるように育成するような内容であれば、結局どこにも特に見える改善はない恐れはある。特定した人や部署の責任にならないことは、誰にもされない傾向はどんな分野でも極めて強いからだ。確かに外国人市民は川崎の人口の50分の一だから、一つの専用窓口を要請するのは甘いだろう。区役所の窓口は多いが、50には上らないと思う。だから、一つの既存の窓口の一部を求めるつもりだ。
私のように日本語も出来て、日本の行政制度がある程度分かる外国人には専門の窓口は特に必要ではないと言えるだろうし、日本人と結婚した外国人も配偶者を通じてなんとかできると思っても良いだろうが、全ての外国人はそうではない。役所に入ったら、そのまま頓挫して帰る人もいる。「一応、この窓口に行ってください」と言えれば、そのような人は助かるので、このように工夫してほしいのだ。
そして、証明書にはより深刻な問題があった。一方、英語やローマ字で発行される証明書があるという。他方、基本になる法律に従う限り発行できない証明書もあるそうだ。このままであれば、提言にする意味が薄くなるので、現行の法律の元で英語やローマ字での発行を増やす余地があるかもう一度検討してもらうことになった。
実感したことは、事務局が実現してもらえそうな提言の作成に真剣に取り組んでくれたことだった。それは有難いことだ。ただし、代表者会議が提言する内容は、実現してもらえそうな内容に限らないと私たちが思うことが明らかになった。近い将来には無理であることを、20年先の外国人の為に投げかけて、論議を始まらせることも私たちの重要な宿命であるとも思う。もちろん、そのようなことばかりであれば成果はないので、実現可能な範囲に入ることも提言に入れ籠むべきだから、そのバランスを考えながら審議しなければならない。