霊魂論の問題

霊魂論を提唱して、問題解決できたわけではない。

まず、霊魂の証拠として、意識の本質は進化によって調整されたことを掲げた。しかし、ここで大きな問題が発生する。霊魂は、どうやって進化するのだろうか。

生物進化のために、親に似ているがちょっと違う子が生まれ、世界の中で挑む必要がある。霊魂の挑みには問題はない。体に結びついて、霊魂が挑戦するはずだ。しかし、子供は問題だ。体は、遺伝子を精子や卵子に託し、次世代へ体の性質を受け継がせる。霊魂はどうするだろう。遺伝子は霊魂を包含するはずはない。遺伝子は物質の体の組み立て説明書になるが、物質ではない霊魂の組み立てとは関係ない。それに、霊魂は頭の中に宿るようだが、精子や卵子は頭から遠い体の一部で生える。霊魂がどうやって絡むのか。卵子は少ないが、精子は極めて多い。その精子に一つ一つ霊魂の一部を託すのかな。

そうであれば、受精の瞬間から胎児には魂があるのだろうか。

ここで、この問題を解決できるはずはない。しかし、答えはないと、霊魂の存在の証拠がなくなる。

しかし、それより根本的な問題もある。

「霊魂があるので、意識がある」と言っている。それは、意識の説明だろう。

説明ではないのは明らかだ。ただ「だから意識がある」と言うのは、説明からほど遠い。

説明にさせるために、二つの方法がある。

一つは、霊魂がどうやって意識を発生することを説明する方法だ。このような仕組みがあるので、もちろん意識がある、というパターン。これは一般相対論が重力を説明する方法だ。重力は、時空の歪みであるとの説明だ。(だから、説明は一般人に分かり易い必要は全くない。)このような理論は今のところ掲げられない。

もう一つの方法は、意識が発生する過程を説明しないが、理論によって意識について役に立つことが言える方法だ。これはニュートンの重力論の形だ。ニュートンは、重力の数学的な形を描写したが、重力がどこから発生するかは、説明できなかった。仮説があったが、その仮説には致命的な問題我あったので、公表しなかった。(十数年前に勉強したことだから、覚えがちょっとずれた可能性も。)しかし、ニュートンの理論を使ったら、惑星の動きを説明できたし、彗星の動きも説明できた。その上、理論の計算によって新しい惑星の存在を予測して、探せば見つけられた。だから、理論として価値は充分あった。重力の説明として欠如したが、他の理論と組み合わせたら大変役に立った。

このような理論も掲げられないが、ニュートンはアインシュタインより数百年前に生きていたように、後者の理論は先に発明されるかと思う。後者の理論で、この投稿の最初の進化問題を解決して、そして霊魂と意識に関わる問題の解決を掲げたら、その後の学者が意識の説明に至るだろう。

しかし、霊魂の理論で、どのような問題は解決できるのだろうかそれは次の投稿のテーマになる。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: